この連載では、都市や地域にスポットを当てて、MaaSをはじめとするスマートシティへの取り組みを紹介してきた。しかしMaaSを実現するには、デジタルテクノロジーが不可欠。そこで今回は、自治体や交通事業者への採用事例が増えている2つのデジタルデバイスを取り上げたい。
MaaSを語るうえで欠かすことができないモビリティのひとつが自動運転である。前回のコラムの冒頭で書いたように、どんなにデジタル技術が進歩しようとも、前提として質の高い公共交通がなければMaaSは成立しない。
スマートシティとMaaSが密接な関係にあることは、このコラムの初回で書いた。ただMaaSはマイカー以外のあらゆる交通をシームレスにつないで提供するという概念であり、どんなにデジタル技術が進歩しようとも、前提として質の高い公共交通がなければ成立しない。
オールドニュータウンという言葉がある。高度経済成長時代に開発されたニュータウンについて、開発当初に若年層が大量に入居したが、その入居者たちが揃って高齢化してきたことで、さまざまな課題が浮かび上がっていることを揶揄した言葉だ。
人口減少が続き、目立った産業にも恵まれない地方にとっては、観光は地域活性化の点でも重要である。ここでは首都圏周辺の観光地として有名な静岡県伊豆、神奈川県箱根、栃木県日光の3ヶ所について、交通事業者が主体となって展開したMaaSの実例を紹介していきたい。
◆LINE公式アカウントを活用…小諸市 ◆バス・タクシーの自動運転とオンデマンド交通…塩尻市 ◆医療MaaSとドローンが特徴…伊那市
◆北陸地方の公共交通改革 ◆公共交通+徒歩移動でポイントが貯まるアプリ ◆「VISAタッチ」の交通系ICカードに対するアドバンテージ ◆アプリや自動運転、オンデマンド型交通の導入
◆「地域共生型スマートシティ」を目指す ◆Uスマート“4つの柱” ◆「交通を軸に人生を前に回す」前橋市 ◆観光型MaaSと地方型MaaSの融合
スマートシティは自治体主導で進められることが多いが、彼らがデジタルやモビリティなどに精通しているわけではなく、多くの事例でその面に長けた民間企業や大学などが関わっている。ただし事業負担の割合は、プロジェクトにより異なる。
◆スマートシティとMaaSの定義 ◆まちづくりの一環として生まれたMaaS ◆コロナ禍と高齢化…動く地方 ◆ピンチをチャンスに変えられるか