テンフィールズファクトリーは、NEXCO東日本およびNEXCO西日本が実施したEV急速充電設備の整備・運営事業者の公募において、関東・中国・四国・九州の4地区、計18箇所のパーキングエリア(PA)で整備・運営事業者に選定されたと発表した。
各箇所に最大出力400kWのEV超急速充電器「FLASH MARK.7」を2基ずつ、計36基を設置し、2027年12月末までに全18箇所での稼働開始を目指す。
同社のEV急速充電器「FLASH」を高速道路のサービスエリア(SA)・PAへ設置するのは今回が初めてであり、高速道路のSA・PAにNACS(テスラ規格)対応の急速充電器が設置されるのは国内初となる見込みだ(2026年10月時点、同社調べ)。
■選定の概要
公募元はNEXCO東日本(関東地区)とNEXCO西日本(中国・四国・九州地区)。選定箇所はNEXCO東日本4箇所、NEXCO西日本14箇所の計18箇所で、設置機種は「FLASH MARK.7」(最大出力400kW、CHAdeMO・NACS両規格対応)。中国・四国・九州の3地区については、NEXCO西日本が公募した全14箇所すべてで同社が選定された。
■設置箇所
【関東地区(NEXCO東日本)】4箇所・8基
・佐原PA(上り線・下り線)|東関東自動車道|千葉県香取市
・野呂PA(上り線・下り線)|千葉東金道路|千葉県千葉市若葉区
【中国地区(NEXCO西日本)】6箇所・12基
・久地PA(上り線・下り線)|中国自動車道|広島県広島市安佐北区
・寒曳山PA(上り線・下り線)|浜田自動車道|広島県山県郡北広島町
・帝釈峡PA(上り線・下り線)|中国自動車道|広島県庄原市
【四国地区(NEXCO西日本)】2箇所・4基
・上分PA(上り線・下り線)|松山自動車道|愛媛県四国中央市
【九州地区(NEXCO西日本)】6箇所・12基
・溝辺PA(上り線・下り線)|九州自動車道|鹿児島県霧島市
・上毛PA(上り線・下り線)|東九州自動車道|福岡県築上郡上毛町
・川南PA(上り線・下り線)|東九州自動車道|宮崎県児湯郡川南町
■国内初のNACS対応で何が変わるか
現在、高速道路のSA・PAに設置されている急速充電器はCHAdeMO規格が中心で、NACS対応の充電器は設置されていない。そのためテスラ車のユーザーは、SA・PAで充電する際に変換アダプターを用意するか、高速道路を降りてスーパーチャージャーなどのNACS対応充電器へ向かう必要があった。
今回設置する「FLASH MARK.7」はCHAdeMOとNACSの両規格のケーブルを備えており、テスラ車はアダプターなしでそのまま充電できる。CHAdeMO対応のEVも従来どおり利用可能だ。
同社のNACS対応EV急速充電器「FLASH」は2026年7月時点で250台・193箇所で稼働しており、テスラのスーパーチャージャーと合わせた国内のNACS対応急速充電器は累計1000台を超えている。今回の高速道路への導入により、一般道沿いの商業施設や観光施設を中心に広がってきたNACS充電網が、長距離移動の基幹である高速道路にも拡大する。
■選定の背景
EVの普及に伴い、高速道路での長距離移動を支える充電環境の整備が課題となっている。経済産業省が2023年10月に示した「充電インフラ整備促進に向けた指針」では高速道路上の充電設備の整備目標が明記され、NEXCO各社は2026年度以降にSA・PAへ設置するEV急速充電器について充電事業者を公募により選定する方針を示していた。
同社は今回の公募に対し、最大出力400kWを時間制限なく継続して出力できる充電性能に加え、会員登録不要の決済の利便性、OTA(遠隔制御)による運用、24時間の受付・保守体制を提案し、応募したすべての箇所で選定された。
■最新モデル「FLASH MARK.7」の特徴
「FLASH MARK.7」は2026年8月に発表された同社の最新モデルだ。従来モデル「FLASH MARK.6」と同等の本体サイズを維持しながら最大出力を400kWへ向上し、一定時間経過による出力制限を設けない設計としている。
充電ケーブルはケーブル径φ32mm、重量1.5kg/mと、従来比で約20%細く、約35%軽くなっており、取り回しの負担を軽減した。主な仕様は最大電圧1000V、最大電流はCHAdeMO 400A・NACS 600A。決済方法はクレジットカード、各種QRコード決済、ETCXに対応する。
■運営・保守体制
設置する充電器は同社本社(京都府精華町)から遠隔監視を行い、利用者からの問い合わせは24時間対応の受付窓口で一元的に受け付ける。故障などの際は東京支店・広島支店をはじめとする直営拠点から現地対応する体制を整える。
またOTAシステムにより、遠隔での料金改定やソフトウェアアップデート、災害時の無料開放にも対応する。同社はこれまでも2026年熊本地震や千葉県豪雨、北陸地方の大雨などの際に被災地域の「FLASH」を無料開放してきた実績がある。
■今後のスケジュール
2026年10月よりNEXCO各社との協議および全18箇所の現地調査を開始し、電力会社との受電協議や工事計画の策定を進める。2027年中に設置工事を行い、2027年12月末までに全18箇所での稼働開始を目指す。




