気温が急上昇する季節はドライブ後の虫汚れに注意したい。高速道路や郊外路を走ったあとは早めに落とすことがシミ予防の基本だ。
◆春から夏のドライブで虫汚れが増える理由
春から夏に向けて気温が上がってくると、ドライブの注意ポイントがひとつ追加される。それが地方の幹線道路や高速道路などで遭遇する虫だ。地域や走行ルートによっては雨が降っていないのに走行中にプチプチ、パチパチとフロントウインドウやボンネット、バンパーに何かが当たる音が聞こえることがある。その音の原因は多くの場合、虫の衝突だ。
フロントウインドウを見ているとよくわかるのだが、高速走行していると虫は一瞬でつぶれ、原形をとどめない残骸になってしまう。牧場の近くや山間部など虫の多いルートを走り、パーキングで休憩した際にクルマへ大量の虫の死骸が付着しているのを発見し、ぞっとした経験があるドライバーもいるだろう。
◆虫の死骸を放置するとシミや固着の原因になる
しかもたかが虫と甘く見てはいけない。虫の死骸は実は要注意だ。粘着質の残骸が残ることも多く、ウォッシャー液やワイパーだけでは完全に除去できない場合がある。さらに厄介なのは、こびりつくだけでなく放置するとシミになったり、時間の経過とともに除去しにくくなったりするケースがあることだ。
愛車をいつもピカピカにしているユーザーなら、虫が付着した状態を見るとすぐさま洗車したくなるだろう。しかしドライブ先では本格的な洗車は難しい。せいぜいできることと言えば、ペットボトルに水を汲んで洗い流す程度だろう。お湯を使うと除去しやすいが、出先で用意するのは現実的ではない。結局、粘着性のある虫の死骸は水だけではなかなかきれいに落とせない。
◆フロントガラスにはガラスクリーナーで視界を確保
そこで用意しておきたいのが虫除去系のクリーナーだ。まず走行中に虫の付着がもっとも気になるのはフロントウインドウだろう。大量の虫がガラスに付着すると視界が妨げられ、ウォッシャー液とワイパーで対応しても汚れが広がるだけで視界がクリアにならないこともある。これは安全運転の面でもかなり危険だ。
クルマに常備しておきたいのがスプレータイプのガラスクリーナーだ。油脂溶解成分やアルコールを配合したクリーナーなら、虫の残骸に含まれる油脂や粘着成分を効率よく落とせる。ゴシゴシこする必要が少ないため作業もスピーディで、ガラスやボディを傷めるリスクを抑えやすいのもメリットだ。筆者も実際にたびたび使っているが、この手の洗車アイテムの中でも虫汚れへの効果が高いアイテムのひとつだと感じている。
◆ボディやバンパーには虫取りクリーナーを使い分ける
一方、ボディやバンパーを含めた虫除去全般を担当するアイテムとして、虫取りクリーナーと呼ばれるジャンルもある。虫取りクリーナーは弱アルカリ性成分や酵素を含むタイプが多いのが特徴だ。これらは虫の死骸に含まれるタンパク質などを分解し、汚れを除去しやすくすることを目的としている。
シャンプーなどに用いられる中性洗剤より、虫汚れを効率よく落とせるのはそのためだ。ただし洗浄力を優先してアルカリ性の強い洗剤を使うと、塗装面や未塗装樹脂への影響が心配になる。虫対策として応急的に使うなら、ボディ対応を明記した専用の虫取りクリーナーを選ぶのが安心だ。ガラスクリーナーとして使える兼用タイプもあるので、車内に1本だけ常備するなら対応範囲の広いタイプを選んでおくのも良いだろう。
◆虫取りクリーナー3タイプのメリットと注意点
虫取りクリーナーには大きく分けて、ウェットシートタイプ、トリガーで吹き付ける液体タイプ、泡状の液剤タイプがある。それぞれにメリットと注意点があるため、使用する場面で選び分けたい。
・ウェットシートタイプ
手軽さではウェットシートタイプが優れている。拭き取りクロスを用意する必要がなく、そのまま汚れ部分を拭き取って捨てられる。ただし虫の付着が広範囲だったり、乾いて固着していたりする場合は力が入りやすい。塗装面にキズを付けないためにも、無理にこすらず水やクリーナーで汚れをふやかしてから使いたい。
・液体スプレータイプ
液体タイプは広い面に吹き付けやすく、ガラスやボディの部分汚れに対応しやすい。使いやすい一方で、垂れやすい場所では成分が汚れにとどまりにくいこともある。使用後は乾いたクロスで拭き上げるか、可能であれば水で流して仕上げるとムラを防ぎやすい。
・泡タイプ
虫の付着がヘビーな状態で役に立つのが泡タイプだ。噴霧した泡が流れ落ちにくく、一定時間汚れ部分にとどまってくれるため、固着した虫汚れをふやかしやすい。しばらく時間を置いて液剤を浸透させたうえで拭き取れば、力を入れずにきれいに除去しやすいのがメリットだ。ただし炎天下では泡が乾きやすいため、日陰やボディが熱くない状態で作業するのが基本になる。
◆虫汚れ対策は早期処理と常備がポイント
ドライブで付着した虫は、放置すると虫由来の体液や油脂が原因でシミになることがある。長時間放置するとカーシャンプー程度では落とせなくなり、最悪の場合はコンパウンドで処理する必要が出てくることもある。そうならないよう、できるだけ早く対処することが大切だ。
虫汚れ対策はスピードが重要になる。ドライブ中やドライブ直後に対応できるよう、クルマに虫取りクリーナーやガラスクリーナー、柔らかいクロスを常備しておくと安心だ。視界確保はもちろん、愛車をきれいに保つ精神衛生上のメリットも大きい。結果として安全運転にもつながるので、虫クリーニングは早めの処理を心がけたい。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も【請け負う】。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。



