雹害車両4000台以上を復旧、「ペイントレス・デント・リペア」技術サービスを本格開始…DRS Japan

ペイントレス・デント・リペア(PDR)
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DRSオートモーティブ・ソリューションズ・ジャパンは、持続可能な雹害修理サービスを本格的に開始したと発表した。

ペイントレス・デント・リペア(PDR)の本格提供により、自動車メーカーやディーラーグループを支援している。

近年の雹害増加で保険・修理現場の負荷が高まる中、2025年は全国で4000台以上の雹害車両を復旧し、環境負荷の軽減と修理コスト・納期の短縮、車両価値の維持に寄与した。

損害保険料率算出機構(GIROJ)と防災科学技術研究所(NIED)は2025年6月、保険データと気象レーダーを用いた雹リスク評価の高度化に向けた共同研究の進展を公表しており、日本でもリスク把握と適正な修理体制の整備が重要課題となっている。

こうした予測・防災の取り組みを補完し、DRS Japanは現場側の復旧実装を担う。PDR(ペイントレス・デント・リペア)は再塗装・パテ埋め・部品交換を原則不要とし、従来の板金塗装に比べリードタイム短縮・クリーンなプロセス・低環境負荷を実現する。車両を工場出荷時の状態(OEM基準)に復元でき、保険実務の効率化にもつながる。

このDRSのPRDとマスタークラフトマンによる高度な修復技術は、世界のOEM各社および保険会社で信頼される標準的な修理手法として定着している。2025年8月に埼玉県で新車約1000台が雹害を受けた際は、保険会社の要請を受けて翌日にAIスキャナーと技術者6名を現地投入。優先車両から損傷評価と修理を開始し、約20日で全車両をOEM基準で復旧した。

DRSグループは欧州、北米、中東、オーストラリア、アジアで培った知見を日本市場にローカライズ。国内では大手損害保険会社、ディーラーグループ、ボディ&ペイント(BP)センターと連携し、スキャンと復旧を標準化している。

現在、DRS JapanはAIスキャナー3台を活用して損傷診断・記録・品質管理を行っており、ドイツ本社からは最短で追加40台のスキャナーを短期間で配備可能。さらに日本国内では50名超の熟練PDR技術者が稼働しているほか、海外のマスタークラフトマンによる支援体制も整っており、大規模災害発生時には需要に応じた短期での体制拡張が可能という。

《森脇稔》

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