東京都小金井市にある西武線のガード(架道橋)が、桁下が低いだけでなく、幅も狭いというので見に行ったら、その前にいきなり出くわした、幅員制限1.7mの標識! 道路の幅員制限の交通標識は、実は設置例が少ないのだ。
幅の狭い道路は市街地に珍しくないが、幅員制限の交通標識はまず見られない。鉄道のガードや道路同士の立体交差など、高さ方向に制限がある場合は必ず標識が設置されているのと対照的だ。
幅員制限1.7mの標識が設置されているのは、小金井市東町5丁目の市道573号線。都道134号・連雀通りから南下して、西武鉄道多摩川線を架道橋でくぐり抜けるまでが、幅の狭い区間だ。対面通行なので走行には注意されたい。
幅1.7mだと軽自動車でもサイドミラーをたたんでやっとの数字だが、実際には3ナンバー車がミラーを立てていても問題なく走れる。ただし一部ですれ違いが困難な幅までせばまる。市道はクランク状に西武線と交差し、この架道橋には最大幅1.9mの規制標識が設置されているが、やはり3ナンバー車でも普通に通れる。架道橋を抜けると片側1車線ずつの道幅になる。

標識の1.7m、架道橋下で1.9mという数字は、車両制限令において通行できる車両の最大幅を定めたもので、道路構造物の幅ではない。もちろん道幅に応じて車両の最大幅は定められるので、逆算すると道幅は3.9mていどになるようだ。
現行の建築基準法では「道路」の幅員は4m以上とされている。4mは原則で、小金井市道573号線のように、1950年に建築基準法が制定された時点ですでに建築物が建ち並んでいた場合、幅員4m未満でも道路とされた。いわゆる「42条2項道路」だ。
小金井市道573号線は明治期以前からある、地域内の南北を結ぶ主要な道路だった。南側の野川を渡る橋は、付近ではこの道の二枚橋しかなく、隣の橋までは直線距離で上流へ約1300m、下流へは約900mとなる。見方を変えれば通行量の絶対値は小さいのだろう。なお西側に並行して東京都の都市計画道路小金井3・4・11号線が予定されている。
レアアイテム、最大幅の規制標識を見つけたら、またレポートするつもりだ。