パーキングサイエンスは、全国の市町村別駐車場密度ランキングを発表した。同社が運営する駐車場検索アプリ「P-Collection」のデータと、各自治体の統計資料を基に独自分析を行った結果、名古屋市中区が全国1位となった。
調査では、可住地面積1平方kmあたりの駐車場数と車室数を算出し、地域ごとの特徴を分析した。その結果、大都市圏で異なる傾向が明らかになった。
●駐車場密度ランキング
駐車場密度ランキングでは、名古屋市中区が1位となり、2位に台東区(東京都)、3位に大阪市中央区が続いた。東京都区部の豊島区、墨田区、文京区、中野区なども上位にランクインし、都市部に小規模駐車場が点在する様子がうかがえる。
特に東京では、荒川区、墨田区、目黒区、豊島区など、住宅地エリアでも駐車場密集が進行していることが明らかになった。背景には小型コインパーキング需要の高まりがあると推測される。
●車室数密度ランキング
いっぽう車室数密度ランキングでは、名古屋市中区に加え、大阪市中央区、大阪市西区、大阪市北区など大阪市内の区が上位を占めた。大阪市では、一駐車場あたりの車室数が多い大型駐車場が中心部に数多く存在することが示唆された。名古屋市中区は、駐車場数・車室数ともに全国1位となり、中心部としての都市機能を果たしていることが分かる。
●考察・エリア別傾向
パーキングサイエンスでは各都市の特徴を考察。東京エリアでは小規模駐車場が密集し、住宅街でも駐車場分布が進行中だ。大阪エリアは都市中心部に大型駐車場が集積し、ビジネス需要や商業施設来訪者向けの大規模駐車場開発が進んでいると推測される。名古屋エリアはコンパクトな都市構造が反映され、中心部に大中小の駐車場がバランスよく展開しているという。
これらの調査結果は、都市部における駐車場の需要と供給の実態を示すとともに、各都市の特性や発展の方向性を反映していると言える。