VWグループ、EVで低炭素鋼材の使用を拡大へ…「EVの排出量の2割は鋼材から」

VWグループが鉄鋼メーカーのティッセンクルップスチールとの間で低炭素鋼材の供給に関する覚書を締結
  • VWグループが鉄鋼メーカーのティッセンクルップスチールとの間で低炭素鋼材の供給に関する覚書を締結
  • ティッセンクルップスチールの水素と再生可能電力を使用する直接還元プラントの完成予想図

フォルクスワーゲングループは10月22日、鉄鋼メーカーのティッセンクルップスチールとの間で、低炭素鋼材の供給に関する覚書を締結した、と発表した。

この提携は、両社の長年にわたるパートナーシップにおける新たなマイルストーンとなり、持続可能性と気候保護に対する共同の取り組みを示すものだ。

ティッセンクルップスチールは2027年から、水素と再生可能電力を使用する直接還元プラントの稼働を予定している。このプラントは、当初は天然ガスを還元剤として使用するが、段階的に水素に切り替えていく計画だ。生産される低炭素鋼材「bluemint Steel」は、認定基準に基づいて認証され、生産に使用される水素が完全に再生可能エネルギー由来の場合、ドイツ鉄鋼連盟が開発したLESSラベルのA分類に該当することができる。

このプロセスは、VWのサプライチェーンにおけるCO2排出量削減に大きく貢献すると期待されている。なぜなら電気自動車が排出するCO2の総量の15~20%は使用される鋼材に由来するものであり、この脱炭素化コンセプトにより、通常の仕様に準拠した高品質の鋼材を製造することが可能となるからだ。低炭素鋼材の供給は2028年に開始され、段階的に拡大される予定。


《森脇稔》

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