日産自動車は、主力米国市場でのモデルイヤー切り替えの遅れに伴う販売費用の増加や中国市場での競争激化を背景に、2024年度通期の利益予想を下方修正した。本業の儲けを示す営業利益は5000億円と従来予想から1000億円減額した。
日産の内田誠社長は7月25日のオンラインによる決算説明会で「第1四半期の課題を踏まえ2024年度通期の見通しを修正する。この修正は第1四半期に取り組んだ在庫適正化とモデルイヤー切り替えの影響を反映している。2024年度期の営業利益は当初の予想から1000億円引き下げ5000億円となる見通し。合わせて当期純利益も3000億円に修正した」と述べた。
営業利益予想1000億円減額の要因について内田社長は「為替レートは800億円の増益要因となる。一方で販売パフォーマンスにおいてはおもに第2四半期に在庫を削減するため販売費用の増加を見込んでおり1100億円の減益要因となる。その他では500億円の減益を見込んでいるが、これは主に中古車価格の下落に起因する」と説明した。ちなみに為替レートはドル、ユーロともに期初から10円の円安に修正している。
2024年度通期の営業利益予想は前年度に対して12.1%の減益となるものの、同日発表した第1四半期実績と差し引きすると、残り9カ月間の営業利益予想は4990億円と、前年度の同期に対しては2%、590億円の増益となる見通し。
内田社長は「第2四半期に向けて在庫の適正化は順調に推移している。在庫適正化のための販売費用やインフレによるコスト増があるものの、有利な為替や新車効果により20万台を見込む販売台数の増加が増益の要因となる」と、第2四半期以降の巻き返しに自信を示した。