カーオーディオシステムの構築法をさまざま紹介している当特集。今回は、「市販ディスプレイオーディオ」を核とするシステムについて考える。これにはどのようなモデルがあり、そしてそれらを使うことでどのように楽しめるのかを、詳細に解説していく。
◆最新の「市販ディスプレイオーディオ」は、“エンタメ力”が高い!?
ところで「市販ディスプレイオーディオ」は登場してから10年ほどしか経過していない比較的に新しいジャンルの製品だが、これが登場したことにより、「カーナビは要らない」と考えるドライバーのカーライフがガラリと変わった。それまでは「ナビは要らない」という選択をするとモニターも失うこととなっていたのだが、これを選べばセンタークラスターパネルにモニターを装備できる。結果、バックモニターも使えて映像系のコンテンツも楽しめる。かくして今や「市販ディスプレイオーディオ」は、非ナビ派のファーストチョイスとなっている。
なお「市販ディスプレイオーディオ」は現在、高機能化が進んでいる。ちなみに少し前は、リーズナブルであることが重視される傾向が強かった。非ナビ派は価格面で「AV一体型ナビ」を敬遠する場合も少なからずあり、価格が高くなってしまうと「AV一体型ナビ」と比べたときの優位性が希薄になりかねないからだ。
しかし今では、多少プライスが張っても機能が充実しているモデルの方が人気が高い。ちなみに機能面でのポイントはズバリ、「エンタメ力」だ。スマホとの連携力を高める等の工夫を凝らし、AVコンテンツを多彩に楽しめる機種が増えている。
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◆主要ブランドの「市販ディスプレイオーディオ」は、チューニング機能も充実!
さて、大手カーエレブランドで「ディスプレイオーディオ」をラインナップしているのは、カロッツェリア、ケンウッド、アルパイン、以上の3社だ。
なおこれら3社がリリースしている最新機種は、「エンタメ力」のみならず「基本オーディオ性能」もおしなべて優秀だ。3社とも各機に「13バンドイコライザー」もしくは「パラメトリックイコライザー」、「クロスオーバー」、「タイムアライメント」、これら本格システムを組む上で必要となるサウンドチューニング機能を搭載済みで、ある程度のシステム発展力も備えている。
とりわけカロッツェリアの製品はいずれも、「クロスオーバー」が充実している。フロントスピーカーとサブウーファー間で使えることに加えて、ツイーターとミッドウーファー間にも適応できる。ゆえにフロント2ウェイ+サブウーファーというスピーカーレイアウトのシステムを、より詳細にコントロール可能だ。つまり、ハイエンド仕様に準じたシステムを構築可能だ。
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◆各社各機とも、さまざまなアプローチで映像系コンテンツを堪能可能に♪
続いては、主要3社の「市販ディスプレイオーディオ」の「エンタメ力」の中身を紹介していく。まず各社の主力機は、Apple CarPlayとandroidautoに対応しているので、スマホの音楽アプリを便利に使える。これにてスマホと接続すれば、アプリの画面を車載機のモニターに映し出せてさらには車載機にてタッチパネル操作も行える。
なおApple CarPlayとandroidautoは映像系アプリには非対応だが、各社のアイテムは映像系アプリも楽しめるようにもなっている。アルパインの各機とカロッツェリアの上位機種ではHDMI端子を装備するのでスマホのミラーリングを行える。
またケンウッドの上位機種では、USBミラーリングが可能だ(Android端末のみ)。そしてカロッツェリアの最新機種では「WebLink Cast」が使えるので、対応アプリについては画面を車載機のモニターに映せて操作も車載機のモニター上で行える。または本体内にブラウザを搭載している機種もあり、それらではスマホを使わずして(通信環境は必要)YouTubeを楽しめる。
このように「市販ディスプレイオーディオ」なら、本格的なシステム運用を行えて、さらには映像系コンテンツも満喫できる。「ナビは要らない」と考えるドライバー諸氏は、高機能な「市販ディスプレイオーディオ」に要注目。
今回は以上だ。次回以降も「システム構築法」をさまざま紹介していく。お楽しみに。