住友ゴム工業の山本悟社長は12月20日に行った年末会見で、これから力を入れていく分野として、電気自動車(EV)用タイヤとセンシングコアをあげ、将来、その2つが一体となったタイヤが登場することになるとの見解を示した。
◆EVタイヤ
同社は2022年4月に、初の市販向けEV用タイヤを中国市場に投入した。そのタイヤは同社史上最高レベルの低燃費(電費)性能を実現し、特殊吸音スポンジを搭載した静粛性に優れたものだ。山本社長によると、真っ先に中国市場に投入した理由は2つあったという。
まず1つは、EVの先行市場である中国で、同社の技術をすべて盛り込んだEV用タイヤを中華系新車メーカーに評価してもらいたいということ。そして、もう一つが販売店と消費者に同社のEV用タイヤがどういうものか知ってもらうこと。出足は上々で、中華系EVメーカーの13モデルに搭載されることが決定した。23年には、欧州にもEV用タイヤを販売する予定だ。
「EV用タイヤにはEV車特有の要求性能がある。これから一層EV車にあったタイヤの開発が必要になる。そして、その開発で生まれた技術が普通のタイヤにも活かされていく」と山本社長は強調する。