中空重力式コンクリートダムの中に入る! 山岳鉄道で往復 2023年1月から

井川ダム
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ダムの中ってどうなってるの? 多数のダムが建設され電源地帯となっている大井川水系。大井川に沿って日本アルプス山中に路線を延ばす大井川鐵道は、中部電力静岡水力センターの協力のもと、ダムの内部を見学するツアーを企画した。

ツアーは千頭駅(静岡県川根本町)発着の日帰りで、井川線「南アルプスあぷとライン」に乗車し、大井川唯一の多目的ダム「長島ダム」と、日本初の中空重力式ダム「井川ダム」の内部を見学する。実施は大鉄アドバンス。

長島ダムは2002年に完成した多目的ダムだ。ツアーは定期開催されているダム見学ツアーに合流し、係員の案内で内部を見学する。見学後は長島ダムカードがもらえる。いっぽうの井川ダムは1957年に完成した日本初の中空重力式のコンクリートダムで、こちらも係員の案内で内部を見学する。井川ダムは一般公開しておらず、このツアーが貴重な機会となる。

井川ダムは中空重力式のコンクリートダムとして日本初の例であると同時に、同タイプのダムは珍しい存在だ。日本ダム協会の資料によると、「重力式」ダムというのは貯水池からの水圧をダムの重量で支える形式のダムで、「コンクリート」は素材。“中実”の重力式コンクリートダムはコンクリートダムとしては一般的だ。これに対し「中空」は、ダムの内部が空洞になっていることを意味する。コンクリートの量は節約できるが、構造が複雑になるという。井川ダムのほか、1950年代後半から1960年代前半にかけて少数が造られたのみだ。

長島ダムは長島ダム駅から、井川ダムは終点の井川駅からそれぞれ徒歩でアクセスする。南アルプスあぷとラインの全線を乗車することになり、地上の歯車と車両の歯車を噛み合わせて急勾配を上下する「アプト式」区間、奥大井湖上駅、日本一高い鉄橋「関の沢鉄橋」を通過する。これらの勾配、駅、鉄橋は、長島ダムの建設に伴う線路付け替えで誕生した。

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予約は大鉄アドバンスのウェブサイトから受け付けている。出発日は2023年1月16・27・30日、2月10・13・24日、旅行代金は大人(中学生以上)が8800円、小学生以下が7800円だ。

《高木啓》

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