アルミ放熱フィンを樹脂部品と一体化、インバーターやeアクスル用途も…高機能素材Week 2022

高機能素材Week 2022:日本軽金属
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  • わかりにくいが金属部品は櫛状になっており、左右に中空部分がある
  • スマートフォンケースなど射出成型と組み合わせた加工事例
  • 外付けドラレコのハウジングの例
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日本軽金属の「PAL-fit」は、アルミ素材と樹脂素材をアンカー効果によって接合する技術。自動車関連では電動車のeアクスルやパワー制御ユニットの筐体やハウジングへの応用が期待できる。

高機能素材Week 2022は、金属、プラスチック、高分子新素材や関連機器の展示会だが、近年自動車業界の注目が集まっている。理由は言わずとも、電動化やESG、GXといったグローバルトレンドだ。電動化車両において、軽量化ニーズが新しいフェーズを迎えるとともに、製品のみならず生産工程や物流過程にも脱炭素やCO2削減が求められている。対応できない企業は、金融機関やファイナンスによる資金調達に影響がでる。取引先の調達要件としても無視できない。

PAL-fitは、アルミ素材に特殊なレーザー加工を施し、表面に微細な溝(凹凸)を作る。ここに樹脂素材を溶着させる。通常、樹脂部品とアルミ(金属)部品を固定する場合、ねじ止めや嵌合といった方法がある。接着剤による固定は耐久性や強度の問題から用途が限られる。溶着によって樹脂とアルミの一体化ができれば、部品の軽量化、ネジなどの削減につながる。結果として、部品形状の単純化や自由度の向上、製造工程の簡略化、省エネ、コストダウンが期待できる。


《中尾真二》

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