JR西日本は11月30日、人工知能(AI)を用いた「着雪量予測モデル」を12月1日から北陸新幹線で本格運用すると発表した。
北陸新幹線では、車両の足回りに雪の付着が一定量見込まれる場合、糸魚川駅(新潟県糸魚川市)の上りホームで雪落とし作業を行なっている。
この作業は気象予報を基に、前日に翌日の要否が判断されていたが、実際には雪が付着していなかったケースが多く、無駄な要員確保や、通過列車の臨時停車などによる列車の遅れが発生していた。
そこで構築されたのが「着雪量予測モデル」で、過去の気象条件や着雪量、地理、列車、気象、風速計、積雪深の各データを分析し、着雪状態を定量的に予測することができる。
開発に向けては、2017年12月~2018年1月にAI開発などを手がける東京都千代田区の株式会社SIGNATEと連携して行なわれたデータ分析コンペを通して、内外からAI予測モデルを募集。2018年の冬期から上位3件のモデルを試行しての検証・検証が行なわれ、2020年冬期から試験運用が開始された。
その結果、着雪を見逃したことがなかったとして本格運用が開始されることになり、JR西日本では、人件費の削減や北陸新幹線の安定運行に繋がるとしている。
