スズキ社長、為替レートは「もう少し円高に振れて安定するのが一番」

インドで販売されるスズキ・グランドビターラ
  • インドで販売されるスズキ・グランドビターラ
  • インド、コルカタ市の、スズキ二輪ショールーム
  • スズキの鈴木俊宏社長

スズキが11月8日に発表した2022年度第2四半期累計(4~9月期)の連結決算は、売上高が前年同期比32.5%増の2兆2175億円、営業利益が同65.8%増の1643億円、純利益が14.5%増の1151億円と、大幅な増収増益だった。

「上期の数字だけを見ると、確かに好決算だと思う。この数字を達成するにあたって、社内的な努力が想像以上にあった。半導体不足、コロナ、船便の手配等さまざまな要因があって、生産の組み替え、設計の変更等で1台でも多くつくるんだ、運ぶんだという取り組みがあってこの数字が成し遂げられた」と鈴木俊宏社長は総括する。

営業利益の増減要因を見ると、台数・売り上げ構成変化等がプラスの1319億円と最も多く、為替影響はプラスの496億円、原材料価格の高騰がマイナス590億円となっていた。鈴木社長によると、海外で値上げが受け入れられたことが大きかったそうだ。

◆インドで34.4%プラス

世界販売台数は前年同期に比べて20万8000台(16.6%)増の146万3000台。特に伸びたのがインドで34.4%増の81万4000台だった。新型『ブレッツァ』や新型SUV『グランドビターラ』の投入などでユーティリティビークルセグメントが伸長したことが大きかった。しかし、欧州については43.5%減の7万4000台と大きく落ち込んだ。

バックオーダーは国内が21万台、インドが40万台超とこれまでとほとんど変わらず、「バックオーダーの解消がなかなか進まない。1台でも多くつくり需要に応えたい」と鈴木社長はうれしい悲鳴を上げていた。

また、長年の懸案だった二輪車事業も17万9000台(22.9%)増の96万台と大きく伸びた。その結果、営業利益も前年同期の25億円から70億円に拡大した。マリン事業についても、北米が好調で54億円から105億円に拡大した。


《山田清志》

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