ソフトウェアベンダーとして成長を遂げたカナダのブラックベリー(BlackBerry)は8月26日、オンラインによる記者会見を開催し、同社が手掛ける車載OS「QNX」の最新状況や、車両基盤であるソフトウエア・プラットホーム「IVY(アイビー)」の開発状況について説明した。
◆ほとんどの自動車メーカーが採用する車載OS「QNX」
まず車載OS「QNX」の最新状況について、ブラックベリーのシニアバイスプレジデント 兼 BlackBerry Technology Solutions責任者 ジョン・ウォール氏が説明した。
それによると、QNXが立ち上がった2013年は搭載車1600万台からスタートしたが、それから8年後の2021年には1億9500万台にまで急拡大。さらに2022年にはそれが2億1500万台にもなる見通しで、ウォール氏は「これには日本市場での成長が大きく貢献している」と説明した。
ウォール氏はQNXの採用メーカー数についても言及し、「(QNXは)すでに世界のトップ10メーカーすべてで採用されており、自動車メーカーとしても45社で採用。EVメーカーでも25あるうち24社で採用されている(未済用の1社はテスラ)」と述べ、この結果、採用車種数は270を超える状況にあるという。また、「ティア1の部品メーカーのうち上位7社すべてで採用が決まっている」とした。
その自動車メーカーの最新採用例としてウォール氏はBMWを挙げた。BMWはこれまでADASのOSにLinuxを採用してきたが、それに代わってQNXを採用したことを明かした。さらにボルボトラックスでも採用されるなど、QNXは商用車部門でも確実に広がりを見せていることも強調した。

◆VWのソフトウェア子会社「CARIAD」が「QNX」を採用
さらなる大きなトピックとして発表されたのが、フォルクスワーゲン(VW)のソフトウェア子会社「CARIAD(カリアド)」にQNXが採用されたことだ。