「こいつ…、動くのか?」排気量7ccの超小型エンジンを実際に組み立ててみる[前編]

超小型エンジン組み立てキット『Toyan X-Power』のピストン
  • 超小型エンジン組み立てキット『Toyan X-Power』のピストン
  • 超小型エンジン組み立てキット『Toyan X-Power』
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実際に動く排気量7ccの小さなエンジンを、自分の手で組み立てられるというロマンのあるキット『Toyan X-Power』。クラウドファンディングサイト「Makuake」で販売されていたこのキットをレスポンス編集部が入手。「実際に作ってみた」レポートをお届けする。エンジニアでもない素人の手で、果たしてエンジンは動くのか。というか、そもそも完成するのか。

編集初仕事がエンジン製作だった

超小型エンジン組み立てキット『Toyan X-Power』超小型エンジン組み立てキット『Toyan X-Power』

X-Powerは、100以上のパーツから作る4ストローク2気筒水冷エンジンキット。完成時のサイズは595×450×844mm、重量700g。ボア径16.6mm×ストローク長17mmで、1気筒あたりの排気量は3.5cc。ニトロ30%燃料による最高出力は1.05ps/1万6000rpm。水冷システムも組み込まれるなど、小さいながらも“本物の”エンジンだ。

さて、筆者が編集長よりエンジン製作記を拝命したのは入社2日目のことだった。編集アルバイトとして入社し、ほぼ初めての仕事がエンジンを作ることだとは。「WEBメディアのお手伝い」というお仕事の概要からは想像できなかった。

オフィスで手渡されたのは、妙に綺麗な「重箱」。これが噂のエンジンキットだ。今回購入したのは「EVERYTHING INCLUDED PACK」で、エンジン本体に使用する100以上のパーツの他、燃料タンクや配線類、台座や簡単な工具類が付属している。「何故重箱…?」という疑問を抱えつつ、中身をチェックしていく。

不安の幕開け…「作ってみた動画」が救いの手に

超小型エンジン組み立てキット『Toyan X-Power』超小型エンジン組み立てキット『Toyan X-Power』

重ねられたスポンジには、細かい部品が綺麗におさまっている。もちろんすべての部品がミニサイズなのだが、それぞれがきちんとその部品の形をしており(当然だが)、眺めているだけでも面白い。このままインテリアとして飾ってもよさそうだ。ただ、油断すれば簡単に紛失してしまいそうなので注意が必要だ。

説明書はあるものの、Toyan社は中国メーカーなので当然中国語で書かれている。一応、日本語付きの図解が用意されてはいるが、ところどころフォントがおかしかったり、ケースに入っている部品の位置が少しずつ図と違っていたりする。欠品があったとしても、恐らく、いや、間違いなく気付けない。まさに不安に満ちた幕開けである。

超小型エンジン組み立てキット「X-Power」の説明書超小型エンジン組み立てキット「X-Power」の説明書

公式PVには、バラバラの部品が手際良く組み立てられ、実際に点火されたエンジンが元気に動く様子が収められている。一方の筆者は、ブロックの制作手順のようにハイコンテクストな説明書を前に呆然とするばかり。部品が多すぎて、どこから手をつければ良いのか分からないのだ。

そんな筆者を救ったのは、YouTubeに投稿されていた「作ってみた」動画だった。タイヤの組み替えからエンジン製作までもネットで勉強できる時代。誠に便利な時代になったと、先人たちの足跡に感謝しつつ、いよいよ組み立てを開始したのである。

自分の手で組まれるエンジンに、モノづくりの喜びを実感

超小型エンジン組み立てキット「X-Power」のピストン超小型エンジン組み立てキット「X-Power」のピストン

まずはピストンリングを取り付ける。既に説明書と手順が違うが、YouTubeの先生に従うと心に決めている。続いてピストン本体の取り付けに入る。ネジも工具も大変小さく、トルクのかけ過ぎでナメないか(ネジ山を潰さないか)不安になる。しかし、ぐるぐると六角レンチを回し、モノを固定する作業はなんとなく楽しい。そして、部品と部品が「カチッ」とあるべき場所にハマった時の快感は何物にも代え難い。なるほど、このキットの魅力がなんとなく分かってきた。

ベアリングをはめてグリスを注入し、カムシャフトを組み付ける。しかし、ここで組み付けるべきパーツの順番を間違え、貴重な部品を破損してしまった。早速、雲行きが怪しくなってきた。直後にその部品を要求されるが、付属の予備パーツがあったため「詰み」は避けられた。危ない危ない。

超小型エンジン組み立てキット「X-Power」、右下が使えなくなった部品超小型エンジン組み立てキット「X-Power」、右下が使えなくなった部品

フライホイールまで取り付けると、手動でピストンを動かせるようになった。貧弱な筆者のスキルで作られていても、工業製品なのできちんと「ピストンの動き」をしてくれる。もう完成したかのような満足感が得られる上、吸入→圧縮→燃焼→排気を繰り返す4サイクルエンジンの動きを実感できる。ネットや教科書では得られない、体験を通じてのみ獲得できる学びというものがここにあるのだ。

美しい運動を繰り返すピストンは、思わず何時間でも眺めていられそうになる。が、記事にする以上、こんなところで止まってはいられない。せっかくの「実際に動くエンジン」だ。なんとか火を入れるまで頑張りたいところ。果たして本当に完成するのか。

後編はこちら。

完成イメージ。果たしてここまでたどり着くことはできるのか…?完成イメージ。果たしてここまでたどり着くことはできるのか…?


《中野 龍太》

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