東京メトロとeスポーツ、意外な組み合わせが照らす業界の未来…東京地下鉄株式会社 人事部労務課 川尻明氏[インタビュー]

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東京メトロとeスポーツ、意外な組み合わせが照らす業界の未来…東京地下鉄株式会社 人事部労務課 川尻明氏[インタビュー]
  • 東京メトロとeスポーツ、意外な組み合わせが照らす業界の未来…東京地下鉄株式会社 人事部労務課 川尻明氏[インタビュー]

「東京メトロ」の愛称で知られる東京地下鉄株式会社。2021年6月、教育事業を展開するゲシピ株式会社と共同で、eスポーツ専用のトレーニング施設「eスポーツジム 赤羽岩淵店」をオープンした。同ジムは東京メトロ南北線赤羽岩淵駅の3番出入口地上部すぐに立地し、アクセスの良さから近隣の若者たちを中心に人気を博している。また、昨夏はeスポーツ大会も開催して注目を集めた。

今回は東京メトロが取り組むeスポーツ事業について、人事部労務課の川尻明氏(人事戦略担当)に聞いた。

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eスポーツジムの利用者層は当初の想定と異なっていた

---:東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)とeスポーツは接点がないように思えますが、なぜeスポーツ事業を始めることになったのでしょうか?

川尻明氏(以下、川尻):業界が今後右肩上がりになる試算が出ているので、シンプルに市場としての魅力がありました。また、東京メトロの殻を破った新規事業として面白いと思いましたし、会社全体としても応援してくれる雰囲気がありました。
 
 現在、eスポーツジムの運営と大会事業の二つを行なっています。eスポーツジムはゲシピさんと共同で、東京都北区にある赤羽岩淵駅の横に昨年6月オープンしました。

---:eスポーツジムは普通のジムのような感覚で利用できる施設なのでしょうか?

川尻:そうですね。eスポーツジムは会員の種別が二つあります。自主練習などでゲーミングPCが使い放題の通常会員(月額5,500円。WEBからの事前予約制、連続利用3時間まで)と、都度会員(月額無料。1日最大3時間までPC利用が1,430円で可能)です。

 プロプレイヤー等から指導が受けられるレッスンコース(1時間/2750円~)も用意しています。プロチームのREJECTさんと提携しておりスキルの指導などが受けられます。

---:eスポーツジムで扱っているゲームタイトルは?

川尻:現在は『VALORANT(ヴァロラント)』『リーグ・オブ・レジェンド』『レインボーシックス シージ』『ぷよぷよeスポーツ』『アイデンティティV/第五人格』、2月から『PUBG MOBILE』の取り扱いも始まりました。

---:どういった方が利用しているのでしょうか?

川尻:当初は中学生から30代の社会人辺りまでを想定していました。意外だったのは小学生のお客様が多く、いい意味で期待を裏切ってくれました。親子で来て、子どもがゲームを練習しているのをお父さん、お母さんが横で待っている感じですね。さらに都心部へeスポーツジムを作った場合は客層も変わってくると思います。

「練習する場」と「活躍する場」を作り出し、繋ぎ合わせる

---:東京メトロは大会事業も行っていますが、どのような大会を開催したのでしょうか?

川尻:eスポーツジムの自主練習や身につけたスキルの花を咲かせるために作ったのが大会事業です。昨年8月に2大会を開催して、まず最初に『小学生親子Duo大会in東京 FEATURING FORTNITE』を行ないました。親子を対象にした、夏休みの思い出作りとなるオンラインのワンデー大会です。

 もう一つは『PUBG MOBILE東京メトロ沿線企業対抗戦』です。AFTER 6 LEAGUE(アマチュアプレイヤーの社会人リーグ)の社会人チャレンジャーズカップ東京大会として実施しました。

 このように、練習する場(eスポーツジム)と活躍する場(大会)を作りましたが、今後はこれを上手くつなぎ合わせることがミッションですね。

---:これからはどのような大会を考えているのでしょうか?

川尻:フォートナイトの大会は来年度も継続したいですね。反響も大きく、90組の参加枠に対して抽選の倍率は10倍を超えていました。もちろん社会人向けの大会もやりたいです。基本的に軸はあまり変えずに、プラスアルファの要素としてeスポーツジムで練習した方が大会で活躍できるよう、ジムで扱っているタイトルを使った大会ができないかなと考えています。

---:eスポーツをやってる人は増えていると感じますか?

川尻:世間一般に浸透してきている印象はあります。無料でプレーできるタイトルが多く、プレーするための障壁が低いことが大きいと思います。5Gが普及すれば爆発的に広がりそうです。

東京メトロが「eスポーツ」の中で目指すこと

---:「eスポーツ」という領域で、東京メトロだからこそできることはなんでしょうか?

川尻:オフラインでも広く一般人の目に届き、eスポーツとの接点を増やす機会を提供できていると思います。一方でeスポーツ業界はまだ課題も多いです。例えば、eスポーツジムの検討をする中で、風営法の話(ゲームセンターと同等の解釈となる可能性有)も大きな課題としてありました。

 ただ、東京メトロがこれまで積み上げてきたお客様からの信頼や、ブランド力を活かし、各種課題をクリアできたことは強みだと感じました。大きな企業が参加することで少しでも業界の課題も解決し、業界全体を盛り上げていくこともミッションだと考えています。

---:今後eスポーツ業界はどのようになっていくと考えますか?

川尻:マネタイズは難しいし、eスポーツ業界のどこでビジネスをすればいいのか聞かれたら少し悩みます。しかし、狭い業界なので、企業の皆さんで助け合いながら業界を発展させている印象があります。現状は手探り状態ですが、今後さらに発展していく余地はあると思っています。

---:最後に、eスポーツ業界の未来は明るいでしょうか?

川尻:明るくしたいと思っています。参入したからには目指すミッションはクリアしたいですし、色んな企業さんと手を取り合ってやっていきたい気持ちも強いです。

オンラインセミナーではeスポーツ業界に興味を持ってくださっている方や、事業を考えるきっかけ、悩んでいることに対して気づきを与えられる場にもできたらと思います。よろしくお願いいたします。

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参加費:無料

・東京メトロ×eスポーツ 
東京地下鉄株式会社 人事部 労務課 人事戦略担当 川尻 明 氏

1. eスポーツ業界参入の経緯及び直面した課題
2. 東京メトロのeスポーツ事業
3. 今後の展望

《mirai.Response編集部》

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