インフィニオン、次世代車載マイコンでクルマの電動化とデジタル化を加速

インフィニオンAURIX TC4xファミリー
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インフィニオンテクノロジーズジャパンは1月18日、次世代車載マイコン「AURIX TC4x」ファミリーに関するオンライン説明会を開催。28mmマイクロコントローラー(MCU)をサンプル出荷したと発表した。

同社はドイツに本社を構える半導体メーカーの日本法人。特に車載マイコンには定評があり、DSP、RISC、MCUの3つの機能を統合した「TriCore(トライコア)」と呼ぶ独自のマイコンが有名だ。

「トライコアは1999年に誕生し、これまでに累計約8億4500万個のチップを出荷した実績ある。このうち、約3億2000万個をAURIXマイコンが占める。2022年末までにトライコア搭載チップの数は10億個と達するだろう」とインフィニオン テクノロジーズ ジャパン オートモーティブ事業本部の赤坂伸彦シニアダイレクターは説明する。

最新世代となるTC4xファミリーは、eモビリティや先進運転支援システム(ADAS)、クルマの電気・電子(E/E)アーキテクチャー、対価格AIアプリケーションのトレンドを促進するもので、クルマの電動化やデジタル化を加速するのに力強い存在になるという。

「TriCore v1.8」と呼ぶ強化版のCPUコアを新たに採用。前世代のTC3xと比較して性能を約60%高め、強化したAURIXアクセラレーター スイートと組み合わせることで最大3倍の性能向上を実現した。

さらに、新しいSOTA(Software Over-the Air)機能により、クルマとクラウドを高速かつ安全に接続し、フィールドアップグレードや自動車使用中の診断・分析機能などOEM企業のニーズに応えることができるそうだ。

また、5GイーサネットやPCIエクスプレスなどの高速通信インターフェースに加え、CAN-XLや10BASE T1Sイーサネットなど新しいインターフェースもサポートしている。このようにネットワークのスループットと接続性が向上したことで、新しいE/Eアーキテクチャーの実装に必要な性能と柔軟性も提供している。

現在、インフィニオンは米シノプシスと協業し、AURIX TC4xファミリーのソフトウエア開発を加速している。これによって、シノプシスの仮想プロトタイピングツール「Virtualizer Development Kit」を利用でき、同ツールを使えば、設計サイクルのかなり早い段階から車載ソフトの開発に着手できるそうだ。

《山田清志》

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