【Stay Home Books】レーシングエンジンとは神様がつくったエンジン

『レーシングエンジンの徹底研究』
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『レーシングエンジンの徹底研究』
著者:林義正(工学博士)
発行:グランプリ出版
定価:3080円
ISBN978-4-87687-383-8

高出力、低燃費、軽量化、整備性を極限まで追求したレーシングエンジン。それは熱機関が具備すべき条件を全て高いレベルでバランスさせた究極のパワープラントである。そのレース用エンジンを題材にエンジンの基本的な性質、設計の勘どころを会得できる1冊が復刊された。

「究極のエンジンとは“神様”がつくったエンジン。“神様”がつくったエンジンは自然の摂理にかなったエンジンである」という設計哲学を持ち、数々の名エンジンを設計した著者が、レーシングエンジンを素材として設計やチューニングについて克明に記されている。電動化が叫ばれ、内燃機関の環境負荷が取りざたされる昨今、エンジンの可能性を指し示す、次世代エンジンの開発にも通じるのが本書である。

そもそもレーシングエンジンとは、また、その特性などの基礎から始まり、馬力を出すための3要素など、素朴な疑問にも答えるようなタイトルがつけられているのも特徴だ。また、最終章ではレーシングエンジンの味付けとして、チューニングやレスポンスの改善などの応用的な解説にもページが割かれているので、内燃機関に興味のある向きには読みごたえ十分な1冊といえる。

尚、本書は2002年刊行の同名書の新装版である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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