Daimler、商用車部門を分離・独立へ
2021年2月、Daimlerは、同社の商用車部門であるDaimler Trucksを分社化し、フランクフルト証券取引所への上場準備を開始すると発表した。

日本では、Daimlerというと、同社の高級車ブランドであるMercedes-Benzをイメージする人が多いのではないか。実際、Mercedes-Benzの販売は同社の売上の過半を占める。Daimlerは、商用車部門の分社化に合わせて社名をMercedes-Benzに変えることも発表した。今後は、電動パワートレインと車載ソフトウェアの開発を加速させることで、高級車メーカーとしての競争力を尚一層高めようとする計画である。
対して、分社化されるDaimler Trucksはというと、実のところ、世界の商用車市場で最大のシェアを有する。Daimlerは、高級車メーカーであると同時に、商用車メーカーとしても突出した存在であるわけだ。今回の分社化によって、Daimler Trucksは、より機動的な意思決定と、戦略的・弾力的な投資の実行が可能となる。トラックを取り巻く事業環境が大きく変わろうとする中で、その未来を見据えた経営判断が下されたといっても過言ではないだろう。