人気犬種ランキング、アメリカと日本で違い…愛犬に求めるものは?

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アメリカン・ケンネルクラブが、2019年に米国内で登録された犬種リスト、「2020 Most Popular Dog Breeds(2020年版最も人気のある犬種)」を発表した。

日本とは傾向が異なり、お国柄や生活環境、文化の違いが顕著に表れているのは興味深い。最も人気のあった犬種はラブラドール・レトリーバーで、実に29年連続の1位とのことである。

2位以下は、ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ、プードル、ビーグル、ロットワイラー、ジャーマン・ショートヘアード・ポインター、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークと続く。基本的に、中~大型犬が好まれているのがわかる。なお、「プードル」については「スタンダード」、「ミニチュア」、「トイ」といった分類に関する情報が得られなかったが、大型のスタンダードが多いと推測する。

REANIMALで以前紹介したように、日本でもアニコム保険が「人気犬種ランキング」を発表している。こちらも傾向は明らかで、トイ・プードルが11年連続のトップ。アメリカのラブラドールには及ばないが、不動の人気と言える。以下、チワワ、MIX犬(体重10kg未満)、柴犬、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、フレンチ・ブルドッグまでがトップ10である。

アニコム保険は、トイ・プードルの人気が高い理由を、ぬいぐるみのような愛らしさ、毛の抜けにくさ、賢さとしている。また、特に都市部の住宅事情なども考えると、小型犬に人気が集中するのもうなずける。現在の日本で犬に求められているのは、多くの場合「愛でる」対象であるということが、いわゆる愛玩犬の人気が高いことからうかがえる。

一方、アメリカでは大型でがっしりとした、犬らしいイメージの強い犬種が好まれる傾向が明らかだ。同時に、ラブラドールの人気の理由には、その多才さが挙げられている。狩りや追跡、水に潜るなど、身体能力の高さと訓練のしやすさなどによって、活躍の場が多い犬種である一方、気性の穏やかさやフレンドリーな性格なため、家庭犬としての適性も非常に高い。野球やホットドッグ、アップルパイのように、「アメリカにぴったりの犬種」だというブリーダーもいるそうだ。

確かに、アメリカ映画やドラマでも、家族が大型SUV(スポーツ多目的車)で郊外に出かけ、犬と一緒にフリスビーをしたり、川遊びをしたり、山歩きをしたりといったシーンを観ることが多い気がする。アメリカ人のライフスタイルに最も合った犬種として、ラブラドールが長年愛されているということだろう。

一方日本では、アウトドアでのアクティビティを一緒に楽しむパートナーというよりも、例えば、時には服を着せたり、カートに乗せてショッピングモールに出かけ、ドッグカフェで一緒に食事を楽しんだりする「わが子」という位置づけが強いように感じる。アメリカと日本、どちらも愛犬家は犬を家族の一員として大切に暮らしている状況は変わらないだろう。しかしながら、お国柄によって愛犬に求めるものや愛犬との関係性には大きな違いがあることが、人気犬種ランキングから垣間見ることができると感じた。

《石川徹》

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