BMWグループは8月20日、現在開発を進めている次世代EVの『iNEXT』(BMW iNEXT)の最新プロトタイプの画像を公開した。
1回の充電での航続は600km以上
BMWグループは2018年秋、米国で開催されたロサンゼルスモーターショー2018において、EVコンセプトカーのBMW『ヴィジョンiNEXT』をワールドプレミアした。その市販版がiNEXTとなり、2021年からドイツ・ディンゴルフィン工場で生産を行う予定だ。iNEXTは、クロスオーバーEVとなる。
iNEXTには、BMWグループのEVパワートレイン、「eDrive」の最新バージョンを搭載する。1回の充電での航続は、600kmを超える予定だ。さらに、iNEXTでは、将来のモビリティのための重要な技術を、1台の車に統合する。iNEXTはピュアEVで、最新のコネクティビティを採用し、高度な自動運転も可能にする。BMWグループによると、レベル3の自動運転を実現するという。
新開発の曲面デジタルコクピット採用
BMWグループはこのiNEXTに、新開発のデジタルコクピットを採用する。このデジタルコクピットは、大型のカーブディスプレイが特長だ。表面が湾曲した大型ディスプレイは、情報を表示する部分とコントロール部分に分けられており、高い視認性と直感的なタッチコントロール性を実現しているという。また、ディスプレイのコントロール部分は、助手席側からもはっきり見える設計とした。
カーブディスプレイのデザインは、現代の家電テクノロジーからインスピレーションを得たものだ。ディスプレイは、スリムなマグネシウム製ブラケットで固定されている。 無反射ガラスを使用したディスプレイは、フードなしでも光を遮ることを可能にした。BMW iNEXT の最新プロトタイプ
自動運転を想定した多角形ステアリングホイール
また、BMWグループはこのiNEXTに、新開発のポリゴナル・ステアリングホイールを採用する。多角形の幾何学デザインとなっており、自動運転と手動運転を切り替えられるiNEXTに最適な形状を目指した。
BMWグループによると、通常の円形デザインと比較して、ステアリングホイールの操舵角を、ドライバーが認識することを容易にするという。自動運転から手動運転に切り替わった時、ドライバーは視覚的にも、また手に触れたグリップ部分の形状からも、現在の舵角を瞬時に認識できるようにした。
ステアリングホイールのサイドに組み込まれた光ファイバーは、発光によって高度な自動運転が利用可能であることをドライバーに知らせる。さらに、フラットボトムの形状は乗降性を向上させるとともに、アクティブクルーズコントロールを使用している際には、ドライバーが両脚を曲げることができるよう配慮している。
また、BMWグループはiNEXTに、「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を搭載する。ドライバーは運転中、「ハイ、BMW」と呼びかけることにより、音声アシストが起動し、ドライバーが求めるさまざまな機能や情報に、安全にアクセスできる。
BMWグループは、正式に生産が開始されるまでに、BMW iNEXTのプロトタイプを、最大100台生産する計画だ。プロトタイプを用いて、世界各地で開発テストに取り組む。BMW iNEXTの量産は、2021年に開始される予定。他のエンジン搭載車やプラグインハイブリッド車(PHV)と同じ製造ラインで、ドイツ・ディンゴルフィン工場で組み立てられる。