経営状況好転もドライバー不足が深刻、2018年度普通トラック市場動向調査

日野レンジャー(参考画像)
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日本自動車工業会は4月8日、2018年度の普通トラック市場動向調査をまとめた。

調査は、普通トラックの保有・購入・使用実態、輸送ニーズの変化と対応や、物流を取巻く市場環境の変化を時系列的に捉え、隔年でアンケートを実施しているもの。今回はユーザー・荷主双方の視点により実施し、またドライバー不足に関する意識・意向、自動走行・隊列走行へのユーザー・荷主の期待と不安、安全に対する意識、運輸業者から荷主への要望と対応についても調べた。調査対象は全国の普通トラックドライバーおよび保有事業所で、合計1393の回答をまとめた。

調査結果によると、運輸業・自家用・荷主ともに前回(2016年度)よりさらに経営状況に明るさがみえ、「好転」が「悪化」を上回っている。運輸業・自家用では、荷扱量水準、運行回数がともに増加傾向にあり、稼働率が上昇していると推察される。荷主では、最近の経営状況を「良くなっている」と実感する割合が前回より大きく増加したが、2年後の経営見通しは「悪化」と回答する割合が高く、今後は厳しい状況が見込まれる。

国内貨物の輸送量については、輸送トン数、輸送トンキロともに、2015年から2016年にかけて増加し、しばらく続いていた減少傾向にいったん歯止めがかかった。調査結果によると、運輸業の事業所におけるトラック保有台数の増減は、過去2年間では「増加」が「減少」を上回った。5年後の保有意向についても「増加」が「減少」を大きく上回る。大規模事業所や経営状況が好転した事業所では、よりその傾向が強く表れており、購入意向の高さがうかがえる。

ドライバー不足については、特に大型免許保有者の不足が顕著という厳しい状況下だが、ドライバー確保に向けて、労働時間・待遇面等改善の取り組みは強化されている。また、自動走行・隊列走行については、運輸業ではドライバー不足の解消、事故の減少が期待する点として多く挙げられた。一方、運輸業・自家用・荷主いずれも、事故時等の責任所在の明確化が共通の課題となっている。

安全に対する意識については、ドライブレコーダーの使用率が上昇し、今後の設置意向も各種サポート機器の中で最も高い。運輸業では乗務前の点検・確認を重視し、アルコール・インターロックの需要も高い。自家用では、各種機器のサポートによる安全対策が増加している。また、運輸業者からは、荷待ち時間削減をはじめとする時間面での要望が強まっている一方、荷主側の対応は追いつかず、厳しい状況が続いている。

《纐纈敏也@DAYS》

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