「エクスペリエンスを新しくデザイン」ダッソー・システムズ、日本法人の新社長就任を発表

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ダッソー・システムズ社長に就任した山賀裕二氏
  • ダッソー・システムズ社長に就任した山賀裕二氏
  • グローバル・フィールドオペレーション(アジア・オセアニア担当)エグゼクティブ・バイス・プレジデント、シルバン・ローラン氏

ダッソー・システムズは12月7日に都内で記者会見をおこない、日本法人の新社長就任を発表。またこれにあわせて エグゼクティブ・バイス・プレジデントが来日し、現況や今後の展望について説明した。

代表取締役社長に就任した山賀裕二氏はセールスフォース・ドットコム専務執行役員からの転身で、ダッソー・システムズのほかにソリッドワークス・ジャパン、ダッソー・システムズ・バイオビアの代表取締役社長も兼任する。

山賀氏は「ダッソー・システムズは社会、産業界に持続可能なイノベーションを提供してゆくことを目的に活動している。顧客とともに3年先、5年先のビジョンを作り、ともに実現してゆくというスタンスに共鳴した」ということが、入社を決断したもっとも大きな理由だと説明した。

現在は「大量生産から市場の多様化が起こって多品種少量生産に、さらには売れないモノは作らない”偏種偏量生産”と言われるものもある。この背景にはエクスペリエンス(経験、体験)の時代になってきた、ということが大きな要素だと認識している。たとえば自動車も新しいライフスタイルの、ひとつのピースとして位置づけるという考え。すべてはカスタマーエクスペリエンスが消費行動に大きな影響を与えている」と山賀氏。

「これをものづくりの観点で見ると、メーカーは製品を設計開発し、製造する役割を果たしながら、デザインするのは製品だけでなくビジネスそのものということになる。ビジネスやエクスペリエンスを新しくデザインすることが必要だ」と続け、これが同社が今後求めてゆく「3Dエクスペリエンス」を活用する領域だとした。

同社は『CATIA』や『SOLIDWORKS』といったCADで知られるが、これら個々の製品を連携させ、プロジェクト全体を支えるプラットフォームの提供を目指している。「製品の企画から創作、検証、設計し、ときには元に戻る。これを素早く回し、デジタルの連続性で後工程につなげる。こうした、自動車のみならずいろいろな業種、業態で活用してもらえるビジネスプラットフォームを目指している」と山賀氏。「日本の顧客とイノベーティブなプロジェクトに取り組み、貢献できることを楽しみにしている」と締めくくった。

また記者会見には、ダッソー・システムズのグローバル・フィールドオペレーション(アジア・オセアニア担当)エグゼクティブ・バイス・プレジデント、シルバン・ローラン氏も出席。「なぜいま、新社長就任という変化なのか。これは世界が大きな変革の時期を迎え、長年の日本の顧客にたいしても変化を理解してもらう重要な時期だからだ」と説明した。

また今後数年の展望についても紹介。グローバルで「製品単体の販売ではなく、消費者にエクスペリエンスを届けるということを念頭に置いている」とし、未来を見据えてマテリアル(素材)、サイバーフィジカルシステム、協働ロボット、スマートシティ、バリューチェーンといった領域への投資を積極的におこなうという。

旧来の顧客も含め「それぞれの業界の経験を学びあうことを重視している。もはや業界を縦割りするのではなく、それぞれの業界が影響しあい、互いに学び、連携することができる」とローラン氏。ボーイングやスカニアでの導入事例や「バーチャル・シンガポール」プロジェクトなどのような「世界のトレンドを日本でもフォローさせていただこうと思っている」とした。

《古庄 速人》

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