スバル 吉永社長「きちんと実力をつけていく」…今期営業利益はほぼ横ばいの4100億円

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SUBARU(スバル)は5月9日、2017年3月期の連結決算と今期(18年3月期)の業績予想を発表した。今期は引き続き米国などでの好調な販売を見込むが、車種構成の変化などで営業利益は前期比0.2%減の4100億円と、横ばいながら2期連続の減益を予想している。

今期のグローバル連結販売計画は4%増の110万6000台とし、達成すれば6期続けて過去最高となる。このうち主力の米国は3%増の68万8000台とし、海外合計では3%増の93万3000台を計画。米国は16年末までに現地工場(インディアナ州)の能力をほぼ倍増させたことで供給力が高まっており、販売増につなげる。一方、国内も『XV』などの新モデル効果から8%増の17万2000台と前期に続いてプラスを見込んでいる。

為替レートは1ドル110円と、前期実績より2円の円安を前提にしており、営業損益段階で211億円の増益効果となる。一方で鋼材など原材料費の上昇による減益影響を164億円織り込んだ。また、米国では金利上昇によるインセンティブの増加により301億円規模の収益悪化要因を見込んだ。今期の純利益予想は1%増の2850億円と、2期ぶりの増益になる。また、売上高は3%増の3兆4200億円と、6期連続の増収を見込んだ。

17年3月期決算は営業利益が27.4%減の4108億円、純利益は35.3%減の2824億円と、いずれも5期ぶりの減益だった。グローバル連結販売は11%増の106万5000台と初めて100万台を突破し、5期連続で過去最高になったものの、円高による減益要因が1438億円となって利益を圧迫した。同期の年間配当は前期から据え置きの144円、今期も144円の予想としている。

記者会見した吉永泰之社長は今期の業績予想について「販売は増加するが収益の低い車種が増える。また、原材料市況の悪化やインセンティブの増加といった費用増を見込んだ。しかし、売上高営業利益率は12.0%と高いレベルを維持していく」と評価した。

また、利益が足踏みすることについては「将来のための試験研究費は約200億円増やす計画としている。今年度だけ業績の形を整えるということはせず、とに角、ブランドを磨いてきちんと実力をつけていきたい」と述べた。

《池原照雄》

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