【ドライブコース探訪】伊東に行くなら「山頭火」…温泉郷で風来の旅

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「伊東に行くならハ・ト・ヤ」というロングランのテレビCMに象徴されるように、伊豆半島の伊東は熱海と並び、東京から至近距離にある一大温泉保養地として知られる。そこには高級旅館から大衆旅館までさまざまな温泉宿があるのだが、温泉は何も旅館だけにあるわけではない。市街地には10か所の共同温泉があり、低料金で温泉を楽しめる。そのうちのひとつが、国道135号旧道沿いにある「和田寿老人の湯」だ。

この地で温泉開発が初めて行われたのは天下分け目の関ヶ原の戦い直前の1598年。伊東での温泉第1号であったという。その由緒正しき泉源を使った和田寿老人の湯は更衣室から浴室まで一見、何の変哲もないただの公衆浴場である。湯温は43度とのことだが、入ってみると結構熱い印象。それにあえて長く浸かるのはなかなか気持ちよかった。備え付けの石鹸などがないぶん、料金は300円と低廉。

と、これだけなら単なる普通の公衆温泉なのだが、和田湯にはもうひとつ物語がある。五七五の定型や季語などの様式をガン無視した大胆な自由律俳句を多数生み出した無頼の俳人、種田山頭火がここに逗留し、その思いを旅日記に綴った場所でもあるのだ。

会館には山頭火にまつわる資料や作品が少数ながら展示されている。版画家、小崎侃氏が絵をつけたプレートには「何かさびしく 死んでしまへと とぶとんぼ」。根っからの旅人であり、その道すがら、躍動感と感傷性が同居した句を多数生み出した。その一端をうかがわせる句と言える。和田湯会館では毎年4月に「山頭火まつり」が開催されている。第10回となる今年の祭りは4月14~16日の予定。山頭火ファンは出かけてみて、風来の旅を追体験してみては!?

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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