日産自動車は東京ビッグサイトで開催中の国際福祉機器展で新型『セレナ』のスロープ式車いす仕様車を初公開した。車いす収容位置を先代よりも車両中央部および運転席近くに寄せたのが特徴で、2017年春の発売を予定している。
セレナ スロープ式車いす仕様車の製作を手がけたオーテックジャパン マーケティング部の眞崎敏史部長は「先代モデルともっとも大きく違うのは車いすの搭載位置を逆にしたこと」と明かす。先代のスロープ式車いす仕様車は運転席の後ろ側に収容し、助手席後ろに介助者用の席を設けていたが、新型では車いすは助手席後ろ側、介助者席は運転席後ろに変更された。
眞崎部長は「もともとセレナは、他社のスロープ式車いす仕様車に比べて車いす収容位置が最も2列目の中央部に近かったが、さらに中央寄りに、そして収容スペースをより広くとるために、位置を変えた」と経緯を語る。
というのも先代までのスロープ式車いす仕様車は、介助者が最後にクルマに乗り込むという福祉施設などでの使われ方を想定し2列目の右側に車いす、左側は介助者席とする設計を踏襲してきた。しかしスロープ式車いす仕様車が個人にも普及してきていることから、新型では使い勝手を考慮して車いすの収容位置を変えたというわけだ。
これによりドライバーや助手席の人との会話がしやすくなる上、乗り心地や乗車時の導線も改善されると眞崎部長は解説している。