水に浮く油を取り除くのはなかなか苦労する。そんな苦労を解消する製品を紹介したのが日本フォームサービス(本社・東京都江東区)だ。それは「スーパーオイルグリッパー」と名付けられた高機能油脂吸着材で、浮いた油の上に置くだけで油が取れるという。
一見すると綿のようにしか見えないが、ポリプロピレンのマイクロファイバー繊維で、その構造に秘密がある。ただ、それについては企業秘密とのことだが、従来のものとは大きく違うそうだ。「これまでのものは油と一緒に水を吸ってしまったのですが、これは油だけしか吸いません」と同社関係者。
その吸油性能は非常に高く、自重の35倍。つまりスーパーオイルグリッパー1kgで35kgもの油を取ってしまうのだ。しかも、その油も粘度の低いものから高いものまでなんでも吸着する。素材は有毒ガスを出さないので、産業廃棄物として処理でき、油の回収時に中和剤や合成洗剤を使用する必要もない。
「今年3月に発売したのですが、まだ知名度がなく、一部の飲食店で試験的に使ってもらっている程度なんです。これから認知度を上げ、本格的に飲食チェーンや工場などに売り込んでいこうと考えています」と同社関係者。
海上の油流出対策にも有効ではないかと、海上保安庁などが興味を示しているそうで、同社ではこの製品に大きな期待を寄せている。価格は1kgで9800円だ。