今年からワークス体制でF1に復帰するルノーF1チーム。ルノーのカルロス・ゴーン社長はまず今季はライバルとの差を縮めることが重要と語った。
前体制のルノーワークスを買収し参戦していたロータスF1チームが昨年財政難に陥り、再びルノーがイギリスのエンストンに拠点を置くチーム母体を買収。今季からルノーワークスとして再びF1に挑むことになる。
ここ数年はレッドブルをはじめ強豪チームにエンジンを供給。2010年から4年連続でレッドブルのドライバーズ・コンストラクターズチャンピオン獲得に貢献した。しかし2014年から新しく導入された新規定のエンジンルールでは苦戦。メルセデスに2年連続でチャンピオンを奪われ、昨年はフェラーリの躍進にも敗北を喫してしまった。ここ2年でルノーのパワーユニット(エンジン+回生エネルギーシステム)搭載マシンの勝利は、2014年にダニエル・リチャルド(レッドブル)挙げた3勝のみとなっている。
ゴーン社長は「我々はハンディキャップがある状態からスタートするという事実を認めなければならない」と3日の発表会でコメント。「我々には、ギャップを縮めていく才能と意欲と経験がある。時間はかかるかもしれないが、必ずギャップを縮める。我々はただ参加するためだけにここにいるのではなく、勝つためにいるのだ。ただし2016年は(いきなり優勝できるなど)ミラクルは起こらない」とコメント。ワークスとしてのF1復帰に強い意欲を見せながらも、今シーズン中の勝利は難しく、あくまで成功のためのプロセス1年目と位置付けているようだ。
またルノーF1のマネージング・ディレクターを務めるシリル・アビテブールも同じように2016シーズンについては慎重な考えを見せている。
「2016シーズンについては現実的にならなければならない。確かに我々は新しいレギュレーションのパワーユニットで遅れを取ってしまった。そこで出来た差を縮めていかなければならない」
「今年はチームの拠点があるエンストンとの関係性を再構築していく必要がある。今年を捨てるというわけではないが、2017年での大きな成功をつかむために全力で取り組んでいきたい」
ドライバーズラインナップは1年ぶりのレギュラー復帰となるケビン・マグヌッセンとロータスのリザーブドライバーからステップアップしたジュリオン・パーマーが務める。また昨年は一時決別状態にまで陥ったレッドブルにも引き続きパワーユニットを供給。ただこちらはエントリーネームに「ルノー」を使わず、新たなスポンサーとなった「TAGホイヤー」をコンストラクター名に使用するとみられている。