「未熟運転」規定を初適用、ひき逃げ16歳少年を起訴

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8月中旬に兵庫県尼崎市内で発生した死亡ひき逃げ事件について、大阪地検は7日までにクルマを運転していた16歳の少年を自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)などの罪で起訴した。危険運転に規定された「未熟運転」を全国で初めて適用している。

問題の事故は2015年8月13日の午前9時20分ごろ発生している。尼崎市大庄北1丁目付近の市道(車線区別のない幅員約5mの直線区間)を蛇行しながら走行していたワゴン車が前走していた自転車に追突。クルマは自転車に乗っていた80歳の男性をひきずりながら約50mに渡って走行し、道路左側のフェンスに突っ込む状態で停止。男性は全身強打でまもなく死亡した。

クルマを運転していたのは大阪府豊中市内に在住する16歳の少年で、免許取得年齢以下のために無免許状態。直後の時点では「こんなに大きいクルマを運転するのは初めてだった」と供述していたが、後の調べで事故当日に初めてクルマを運転したことがわかった。

現場の道路は30km/h程度の速度で走行していたが、進路を維持することができずに蛇行を開始。道路右側の建物に接触しそうになったことでパニックとなり、前方を走行していた自転車の存在を見落としたものとみられている。

少年は家裁の審判で逆送(検察官送致)が決定。大阪地検では危険運転罪の適用基準である「未熟運転(進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為)」に該当するものとして、少年を危険運転致死などの罪で起訴した。

危険運転罪で未熟運転が適用されるのは今回が全国初の事例となる。

《石田真一》

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