日産自動車が7月29日に発表した2015年度第1四半期(4~6月期)連結決算は米国を始めとする海外での販売が好調に推移したことで、営業利益が前年同期に対し58%もの大幅増益となった。
日産の田川丈二常務執行役員は同日、横浜市にある本社で会見し、「第1四半期は非常に良い結果が出た。収益は現在上振れているという感じ」と総括した。
具体的には「営業利益でみれば年度(見通し)全体の29%近く(の進捗率)、当期利益でいうと31%ということで、今は非常に良い結果が出ている。これを第2四半期以降も続けて、最終的には中期計画で高い目標をもっているので、それに向けて進んでいきたいと思う」と述べた。
また「販売は第1四半期で年度の23%をちょっと超えるくらいで、これはペースとしては悪くない。例えば日本のように第4四半期に大きく販売が増える時期もあるので、悪くないペースではあるが、収益の伸びに比べれば販売の方はほぼ計画通り」との認識を示した。
日産の第1四半期の連結営業利益は1937億円で、通期では前期比6%増の4850億円を見込んでいる。またグローバル販売台数は第1四半期が前年同期比4.4%増の129万4000台だった。これを通期では前期比4.4%増の555万台を目指している。
第1四半期業績が上振れしたものの、通期見通しを据え置いたことについて田川常務は「我々は第1四半期で、こまかな為替の前提を見直したり、収益や台数の見直しをするということはやっていない。よほど大きな差がでて、それがプラスであれマイナスであれ、そういう場合にはやるが、とくに見直しの作業自体はしていない」と説明した。