次世代自動車振興センターのブースには、自動車メーカーのEVやPHEV関連が共同展示されていた。日産と住友商事の合弁子会社4Rエナジーは、新商品のエネハンドを展示。同社は『リーフ』の使用済みバッテリーを再利用するために設立された企業だが、リーフの使用済みバッテリーが本格的に扱えるのはあと2年は先なため、現在は新品バッテリーモジュールを使った商品を展開している。
エネハンドは蓄電池を備えたEV・PHEV用充電器。「リーフ to ホーム」はEVやPHEVの内蔵バッテリーを家庭用蓄電池として利用できるものだが、エネハンドは充電器に12kWhのバッテリーを内蔵したことで、安価な深夜電力や太陽電池からの充電を昼間の家庭での電力消費を軽減するのに使える。EVが外出中でも蓄えた電力が家庭で利用出来るし、エネハンドのバッテリーからEVに充電を行なう事で昼間でも深夜電力に近いコストで充電することも可能だ。
エネハンドのバッテリーだけで一般住宅なら1日分の電力をまるまる供給することが可能。さらにいざとなればEVのバッテリーも利用することで、さらに大容量の蓄電池システムになる。災害時には、これほど心強いものはないだろう。
そしてオートモーティブエナジーサプライのブースには、キャリーバッグ型のポータブル蓄電池、ポーチクが並んでいた。おそらく、この種の展示会では初めてのお目見えとなる同社は、日産リーフのバッテリーを生産しているメーカーだ。
「バッテリーの能力、信頼性などの品質の高さも大事ですが、それと同じくらい重要なのがBMS。バッテリーの充放電をマネージメントするシステムの能力なんです。弊社はリーフ17万台の生産実績があり、しかも重大なトラブルはゼロです。そのため現在、様々な企業から供給に関して打診を受けています」。そう語るのは加東重明社長だ。交渉中の企業の中には最新鋭の旅客機を生産する、あのメーカーも含まれているとか。
またリーフのバッテリーユニットを1モジュールとして、トラックに積み込んだ産業用パワーバックアップシステムも開発中だ。ゆくゆくはリーフで使用済みとなったバッテリーのリユースでも、車体から取り外したユニットをそのまま利用できるため、コストを抑えて非常用電源や災害時の電源車として導入することが可能だと言う。
さらにはリーフの電欠トラブルからレスキューするための「リーフ to リーフ」や、リーフからAC電源を取り出すための「リーフ to 100V」という商品も開発中だ。
「現在、信頼性を確認するための実証試験中ですが、8月か9月には発売出来ると思います」
リーフ to リーフはディーラーなどに置いてもらって、電欠で動けなくなったユーザーのリーフを充電するためのサービスカーとして活躍することになりそうだ。