矢野経済研究所は、国内の中古車流通市場の調査を実施。その結果を「中古車流通総覧 2015年版」にまとめた。
調査は2014年8月~2015年5月の期間、自動車メーカー、自動車ディーラー、オートオークション・入札会開催事業者、中古車販売事業者、中古車買取専門事業者、自動車ユーザー等を対象に実施。同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、自動車ユーザーに対するインターネットアンケート調査や文献調査を併用して行った。
それによると、2014年の国内の中古車小売市場規模は、台数ベースで270万台、金額ベースで2兆8566億円と推計した。2014年の1月~3月は消費増税前の駆け込み需要が発生したものの、4月以降は駆け込み需要後の反動減と消費マインドの低迷で中古車販売業者は苦戦を強いられた。
オートオークション市場は、新車・中古車販売台数の増加に伴って出品台数が増加した。特に消費増税前の駆け込み需要でディーラーや中古車販売事業者における在庫が急激に膨らんだことで在庫調整が発生したため、例年よりも良質な中古車の流通台数が増加した。
国内の中古車買取市場は約70万台と推計した。メーカー系ディーラーによる下取強化、中古車販売店やカー用品店、ガソリンスタンド等の異業種からの参入によって買取価格は高騰している。引き続き、メーカー系ディーラー、中古車買取専門店、新規参入事業者による競争は激化すると見る。
中古車輸出市場については、仕向地別の中古車輸出台数は、トップを続けていたロシアが情勢悪化やルーブル安の影響を受けて輸出台数が落ち込んだものの、好調を維持するミャンマー向け、ニュージーランドやグルジア向けの輸出台数が増加し、中古車輸出市場全体を牽引した。