4人死傷の多重衝突、トラック運転者の責任認めず無罪に

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2013年2月に京都府京都市山科区内の国道1号で4人が死傷する多重衝突事故を起こしたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた40歳の男性に対する判決公判が23日、京都地裁で開かれた。裁判所は男性の無過失を認め、無罪を言い渡している。

問題の事故は2103年2月26日の午後3時40分ごろ発生している。京都市山科区音羽稲芝付近の国道1号(片側2車線の直線区間)を走行していた大型トラックが前走車に追突した後、対向車線側へ逸脱。前走車も押し出されて対向車と衝突するなど、車両6台が関係する多重衝突に発展し、4人が死傷した。

トラックは事故直前に急ハンドルを切っていたが、トラックを運転していた男性(当時38歳)は「隣車線から減速しながら、合図なく車線変更してきたトラックとの衝突を回避しようとした」と主張していたが、男性のトラックに速度超過の疑いがあり、男性が事故の発端になったとして、自動車運転過失致死傷罪で起訴していた。

23日に開かれた判決公判で、京都地裁の市川太志裁判長は、事故の主因が「隣車線から進路変更の合図なく、減速しながら前方に割り込んできたトラックにあった」と認定した。

その上で裁判長は「無合図で割り込んできたトラックが道路交通法に違反しており、後続車を運転していた被告にとってその動きは予期できないものだった」と指摘。「被告が前走車との衝突を避けようと、瞬間的にハンドルを切ったのは自然な判断」として、被告の責任を認めず、無罪判決を言い渡している。

《石田真一》

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