非マレー人生徒の民族衣装着用禁止で波紋

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マレーシア(参考画像)
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クアラルンプールのチェラスにある公立中学校「SMKスリ・ムティアラ」で、マレーの民族衣装であるバジュ・クルンの制服を着用した非イスラム教徒の女子生徒が教室への入室を禁止されたことが明らかになり、波紋を呼んでいる。

サラワク州出身のブリトニー・ニコールさんは新学期の1日目にバジュ・クルンの制服を着用して新しい学校に登校したところ、教師から注意を受け、エプロンドレス型の制服を着用しなければ教室に入らせないと警告されたという。学校では、ブリトニーさんがマレー人か、華人かどうか質問を受け、マレー人ではない場合はバジュ・クルンではない制服を着用しなければならないとし、午前7時に自宅に帰るよう命じられ、午前10時に家族が迎えに来るまで待つ羽目になったという。ブリトニーさんがこれまで通っていた別の学校ではマレー人以外の女子生徒もバジュ・クルンの制服を着用しており何も問題がなかったという。

「SMKスリ・ムティアラ」ではマレー人あるいはイスラム教徒の生徒以外はバジュ・クルンを着てはならないとする暗黙のルールが存在しており、保護者の間からはこれに反対する声が出ているという。エプロンドレスの丈が短いことからバジュ・クルンの着用を好む女子生徒も多いのが実情だ。

教育省は、マレー人以外の生徒によるバジュ・クルンの着用を禁止する権利は学校になく、あってはならないことだと批判。調査を行い適切な対応をとると表明している。ムヒディン・ヤシン教育相は、イスラム教徒以外の生徒のバジュ・クルン着用禁止はこれまでに命じられたことがなく、国家の和合という政策にも反すると批判した。

一方で、「SMKスリ・ムティアラ」のモハマド・アミル・アブドル・ガニ校長は、国営「ベルナマ通信」の取材に対して、誤解であると反論。イスラム教徒ではない女子生徒にバジュ・クルンの着用を禁止したことは一度もないが、正しいルールに則り全てのボタンを閉じて着用しなければならないと説明した。また、ブリトニーさんは学校に登校してバジュ・クルンを着ても問題ないとコメント。教師とブリトニーさんの間に誤解が生じただけであると説明した。
(ボルネオ・ポスト、1月16日、マレーメイル・オンライン、ベルナマ通信、1月15日)
千田真理子