情報・システム研究機構国立極地研究所と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、南極観測船「しらせ」の昭和基地沖への接岸に向けて最適な航路を選択するため、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を活用することで合意し、観測を開始した。
ALOS-2に搭載されたLバンド合成開口レーダー「PALSAR-2」は、天候に左右されず、南極海での海氷状況を計画的に観測することが可能。
また、高度な解析を加えることで、海氷が比較的航行容易な1年氷か、航行に多くの困難を伴う多年氷かをある程度識別することができる。
「しらせ」の接近に先立ち、11月27、28日に観測した。氷海突入時期の12月中旬にも、同様の観測を行う予定。
「しらせ」の接岸は、観測計画の円滑な遂行、越冬観測を支える物資輸送を実現するため、重要となる。ここ数年、海氷が厚く接岸には厳しい状況の中、国立極地研究所とJAXAでは、ALOS-2をはじめとした各種衛星データを、接岸に向けた重要なデータとして、今後も活用していく。