メルセデス SクラスにSonicPLUS THE CREST登場…純正の美点そのままに超高音質化を実現

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SonicPLUS THE CRESTを試聴する黛氏
  • SonicPLUS THE CRESTを試聴する黛氏
  • SonicPLUS THE CREST 2C-222 Double Crest
  • SonicPLUS THE CREST 2C-222 Double Crest
  • ステアリングを握りながらSonicPLUS THE CRESTを試聴する黛氏
  • SonicPLUS THE CREST 2C-222 Double Crest
  • SonicPLUS THE CREST 2C-222 Double Crest
  • SonicPLUS THE CREST 3C-222 Triple Crest
  • SonicPLUS THE CREST 2C-222 Double Crest

音楽がなにより好きで、オーディオにも関心がある、そんな新型メルセデスベンツ『Sクラス』のオーナーに朗報! 圧倒的な高音質でカーオーディオ愛好家の羨望を集めるソニックデザインから、222系新型Sクラス専用のスピーカーパッケージ 『SonicPLUS THE CREST(ソニックプラス・ザ・クレスト)』が発売された。

◆純正システムの使い勝手そのままに高音質化を実現、ディーラーで装着可

ソニックデザインはすでに、先代のSクラス(221系)や『CLSクラス』(219系)、『CLクラス』や『Eクラス』(212系)用に、純正オプションカーオーディオとして採用された実績があるが、今回発表されたSonicPLUS THE CRESTはこれらのコンプリートシステムとは異なり、純正装着カーオーディオのスピーカーユニットのみをソニックデザイン製スピーカーモジュールと交換するタイプの製品だ。最近同社が積極的に展開している、車種別専用設計のスピーカーパッケージ『SonicPLUS』と同様に、新型Sクラスの純正スピーカー装着位置にジャストフィットするアルミダイキャスト製エンクロージュアを開発し、そこに同社の最上級スピーカーユニットを装着。「Nクラス」ユニット使用の「3C-222 Triple Crest」(セットで270万円、税別)と「Rクラス」ユニット使用の「2C-222 Double Crest」(セットで200万円、税別)の2種類が用意される。

このSonicPLUS THE CRESTが新型Sクラスオーナーの心に刺さるのは、スピーカーのみを交換するため、インテリアの外観や純正カーオーディオ/カーナビの機能・操作性がいっさい損なわれないことだろう。しかもこの製品は、一部を除くメルセデス・ベンツ正規販売店で購入・取り付け出来ることも特筆しておきたい。スピーカー交換のためにディーラーに愛車を預ける時間も短く(標準作業時間は7時間と設定されている)、なにより、メルセデスベンツ車を扱い慣れたディーラーメカニックが作業する安心感は絶大だ。カーオーディオ専門ショップに足を踏み入れたことのない人でも、最高級カーオーディオがディーラーで手に入れられるところも、この製品の大きな魅力ポイントのひとつだろう。もちろん、全国のソニックデザイン製品認定販売店やソニックプラスセンターでも購入・取り付けできることは言うまでもない。

オープンを来春に控えた千葉・蘇我の「ソニックデザイン・ショールーム」を訪ね、SonicPLUS THE CRESTの詳細を取材するとともに、Rクラススピーカーユニット搭載の2C-222 Double Crestを装着した「S 400 ハイブリッド」を連れだし、初冬の房総半島を音楽と走ってみた。

◆音のバランスを整える作業は必要不可欠

オーディオをよい音で聴くための秘訣は、音質コントロール機能を積極的に使いこなし、音のバランスを整えることだ。ノーマルポジションの音はあくまで、純正カーオーディオの音を仕上げたエンジニアの感覚によるもので、それが貴方にとって望ましいバランス、あるいはソニックデザインのスピーカーに最適なバランスとは限らないことは知っておいていいだろう。

走り出す前に、COMANDコントローラーで「サウンド」機能を呼び出し、音の調整を試みる。まず、「イコライザー」で音のバランスを整える。低域/中域/高域をそれぞれ増減する「バス」「ミッド」「トレブル」を調整した結果、バスを1ステップ上げ、ミッドは5ステップ下げ、トレブルは1ステップ下げた状態で音のバランスが整った。

つづいて「サラウンド」のセッティングを吟味する。着座ポジション(全席/前席/後席の3ポジションがある)の選択と、サラウンドのオン/オフによる音の変化を確認。今回は4名乗車で聴いたため、たとえ前の席で聴いていても、「前席」ポジションより「全席」ポジションの方が、音がリッチで聴きやすいことがわかった。前席のみに1~2名乗車の場合は「前席」ポジションでもいいかもしれない。「サラウンド」のオン/オフは、聴く音量により選ぶべきだろう。運転や車内の会話の妨げにならない程度の小音量なら、サラウンドはオンの方が響きが豊かで心地よい。

とうぜんのことながら、これらの調整ではCOMANDコントローラーを駆使することになるが、その使い方は純正から変わらず戸惑うこともない。音の調整が終わったところで、愛聴盤CDを6枚ほどチェンジャーに入れ、ソニックデザイン社から数分の松ヶ丘インターで館山自動車道に乗り、内房を南下する音楽ドライブに出発だ。

◆小口径ワイドレンジユニットと完全一体構造アルミダイキャストエンクロージュアがもたらす、ハイクオリティサウンド

念入りに音のバランスを整えて初めて、ソニックデザインの真価が発揮されたハイクオリティサウンドが楽しめることを、ここで改めて強調しておきたい。調整を終えた状態でなにより印象的なのは、楽器や歌手の音像が立体的で、引き締まって克明なことだろう。クッキリと明瞭な音像が目の前に浮かび上がる。Sクラスと聞いてイメージするよりは、いくぶんロードノイズの車室内への侵入が多いのが気になるが、ハイクオリティスピーカーならではの特徴で、楽音がノイズに埋もれることなく、明瞭に分離して聴こえる。

音楽が演奏されている場(=サウンドステージ)の再現も自然で、左右の拡がりや深々とした奥行きを感じとることができる。ニュートラルな音色とナチュラルな質感の再現は、ソニックデザインならではの特質だが、このSonicPLUS THE CRESTでも、その美点は活きている。たとえ大音量で再生しても、耳につくようなうるさい音にはならず、小音量でも音がボケずに明瞭に聴こえる。さらにクルマの外への音漏れが少なく、たとえ街中で大音量で聴いても恥ずかしくないのは、エンクロージュアを使用するソニックデザインならではのメリットのひとつだろう。

◆スピーカーのみ交換のため保証条件はそのまま

このハイクオリティサウンドを可能にしたのは、ソニックデザインが培ってきた小口径ワイドレンジユニットのならではの能力・特質と、それを最善の状態で引き出すアルミダイキャストエンクロージュアの相互作用によるものだ。

フロントドア左右、リアドア左右、リアトレイ左右、ダッシュボードセンターの7本の純正スピーカーは、完全一体構造アルミダイキャストエンクロージュアに52mm口径ワイドレンジユニットを装着したARMS(Anti-Resonance Monolithic Structureの略。

卓越した高剛性・低共振特性を兼ね備えたエンクロージュアの意味)スピーカーモジュールに置き換えられ、運転席と助手席の足元にセットされた純正サブウーファーの代わりに、アコースティックデッキ(純正スピーカー取り付け部周囲の剛性を高めて不要共振を低減させ、ユニットの能力を最大限に引き出す肉厚のアルミダイキャスト製バッフル)に装着された77mmサブウーファーを装備する。これらのスピーカーモジュールは、いずれもボルトオン&カプラーオンで交換装着でき、純正の内装材やボディ構造にいっさい変更を加えることなく取り付けできる。もちろんクルマを手放すとき純正状態に戻すことも容易だ(取り外し費用は発生するが)。また、カーエレクトロニクス部にはいっさい変更や追加を加えていないので、保証条件に抵触してメルセデスケアの対象外となることもない。

◆スピーカーに関しては万全、つぎなるステップは…

この2モデルのSonicPLUS THE CRESTの登場で、スピーカーに関しては万全の態勢が整ったのではないだろうか。

次なるステップを夢想すると、このスピーカーをソニックデザイン製のデジタルクロスオーバー搭載プロセッサー+パワーアンプで鳴らすコンプリートサウンドシステムを想い描くことができる。仮にこれを「Sクラス Sound Suite」 と呼ぶが、それが登場した暁には、カーオーディオとは思えない高音質サウンドを聴かせてくれた「Eクラス Sound Suite」を凌駕するに違いない、超ハイクオリティサウンドが実現されていることだろう。

《Sound and Zoom 黛 健司》

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