ナジブ政権下で人権状況は悪化…人権団体リポート

12月10日の「世界人権デー」を前に、人権団体「マレーシア人民の声」(Suaram)は2014年のリポートを発表。ナジブ・ラザク政権下でマレーシアにおける表現の自由がさらに蝕まれているとして、人権状況がむしろ悪化していると指摘した。マレーシアン・インサイダーが報じた。

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12月10日の「世界人権デー」を前に、人権団体「マレーシア人民の声」(Suaram)は2014年のリポートを発表。ナジブ・ラザク政権下でマレーシアにおける表現の自由がさらに蝕まれているとして、人権状況がむしろ悪化していると指摘した。マレーシアン・インサイダーが報じた。

同リポートでは、1948年煽動法の適用によって野党政治家や社会運動家、弁護士、学者など44人が訴追されたり、有罪判決を受けたりしていると指摘。表現の自由が当局による社会組織に対する激しい脅迫によって損なわれているとしている。

その上で、今年は当局によって容認されているヘイト・スピーチや、暴力がエスカレートするという憂慮すべき新たな段階に入っているとし、ナジブ首相が国際会議で節度と寛容性を強調しているにも関わらず、信仰の自由と民族関係が脅威に晒されていると指摘している。

またナジブ首相が政治的な生き残りをかけて過激派に屈服し、約束していた煽動法廃止を撤回したばかりか、強化方針を発表するなど背信行為を行なったと批判している。

同リポートではまた、マレーシアの人身売買や汚職、説明責任、職権濫用などについても言及。今年は国連人権理事会(UNHCR)が行なった232の提言のうち150だけしか受け入れられていないとしている。

伊藤 祐介

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