犠牲者4万人の大半がアフリカ、中東出身…夢を求めた移民の実態

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夢半ばで命を失う人、人
内戦や迫害など、さまざまな理由で祖国を離れ、新天地に希望を託す移民や難民の多くが、夢半ばで命を失うという例は、昔から少なくない。国際移住機関(IOM、本部スイス・ジュネーブ)によると、そんな人々が2000年以降、4万人以上に及ぶことが分かった。

IOMは、世界的な人の移動(移住)の問題を専門に扱う国際機関。正規のルートを通して、人としての権利と尊厳を保障する形で行われる人の移動は、移民と社会の双方に利益をもたらすとの基本理念に基づき、移民個人への直接支援、関係国への技術支援、移住問題に関する地域協力の促進と、幅広く活動している。

過半数がアフリカ、中東からの脱出組
9月29日にジュネーブで発表されたIOMの報告書は、移住者の渡航途中の死亡についてまとめた包括的なもの。死亡者の半数を超える2万2400人以上が、アフリカや中東から欧州に渡ろうとしていたのだという。

IOMによると、今年1月から9月の死者は、少なくとも4077人に上る。中東情勢の緊迫化などが難民らの欧州行きに拍車をかけたとみており、北アフリカ経由で欧州を目指す移住者の死者数が増加している。

地中海を渡る途中で死亡した人は昨年の推定約700人を大きく上回る3072人。一方、米メキシコ国境などでの死者数は減少傾向にあるという。

イタリア最南端、地中海に浮かぶランペドゥーサ島沖では昨年10月、アフリカ移民・難民を乗せた船が火災を起こし、366人の命とともに海に沈んだ。

国際社会に受け入れ拡大を呼びかけ
今年9月中旬には、シリアやパレスチナ自治区のガザ地区からの難民を乗せた船を、密航の手引きをした業者がマルタ島沖で故意に転覆させた。このため、約500人が死亡したと推定されている。

国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は、地中海を渡る途中で今年、2500人以上の移民・難民が死亡または行方不明になったとの報告書を発表している。

アムネスティ・インターナショナルは、玄関先で起きている悲劇を無視することを欧州はできないと、移民や難民への救援を強化するよう要請している。

一方、IOMのスウィング事務局長は、たくさんの命が失われている現実の理由について「合法的で安全な移住の機会が制限されているため」とし、移住者が密航手引き業者を頼らざるを得なくなり、人命が脅かされていると指摘する。

さらに、世界が移住者に対する暴力に終止符を打つ時だとし、国際社会に移民や難民の受け入れ拡大などを呼びかけている。

渡航途中で4万人以上が死亡 移民、難民に密航業者がもたらす悲劇

《アフリカビジネスニュース》

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