いすゞ自動車の川原誠取締役常務執行役員は8月4日に都内で開いた決算会見で、製造現場などでの人手不足について「海外を中心にもらっているオーダーを造りきれない。そういうロストオポチュニティ(機会損失)がでている」と述べた。
川原常務は「グループ企業内での人材を融通し合うとか、期間工の採用に全力を上げているということもあって、ある程度のリードタイムがあれば対応できるが、例えば中近東などから予想よりも急激に受注台数が増えたというような時に、なかなかすぐ対応できないというもどかしさ、実態がある」と明かした。
その背景として「これはいすゞだけでなく部品メーカー、架装メーカーともに、日本の基本的な需要構造が大きく変わるとは思えない中で、能力増強に投資するとは考えにくい。各社とも人を増やして台数をこなそうとしているという状況は変わらない」と説明する。
その上で「そういう中で我々も最大努力しているわけだが、急速な受注にはすぐに対応できない。第2四半期もほぼ生産台数に枠があって、海外を中心にもらっているオーダーを造りきれない。そういうロストオポチュニティ(機会損失)がでているのも事実」と述べた。
また国内販売に関して「復興需要に加えて、国内の建設関連需要が非常に活発ということもあり足元の受注は大変好調で、期初に立てた想定よりもやや上回っている」としながらも、「架装メーカーのキャパの問題があり、かなりリードタイムが長い状態が続いている」とし、こちらも需要に追いついていない状況が続いているという。