東北大と北海道大、超小型地球観測衛星「雷神2」が地表のカラー撮影に成功

宇宙 テクノロジー
東北大学と北海道大学、超小型衛星「雷神2」がクラス最高の高解像度地表撮影に成功(出典:東北大学・北海道大学)
  • 東北大学と北海道大学、超小型衛星「雷神2」がクラス最高の高解像度地表撮影に成功(出典:東北大学・北海道大学)
  • 東北大学と北海道大学、超小型衛星「雷神2」がクラス最高の高解像度地表撮影に成功(出典:東北大学・北海道大学)

東北大学と北海道大学が共同開発した超小型地球観測衛星「雷神2」が、搭載された高解像度多波長望遠鏡システム(HPT)を使って地表のカラー撮影に成功した。地表での解像度は約5メートルで、これは重量50kgクラス衛星としては世界最高。

「雷神2」は、鹿児島県の種子島宇宙センターから5月24日に打ち上げられ、その後、各種の試験運用を続けてきた。これまでに魚眼CCDカメラ(WFC)を用いて、日本付近の昼側の雲画像や夜景を捉えることに成功し、最近は高解像度多波長望遠鏡システム(HPT)を用いた望遠撮影の実験も開始していた。

中で、7月2日に梅雨の晴れ間の日本列島を捉えて、HPTを使って地表の高解像度カラー画像(RGBの3色画像)の撮影に成功した。場所は新潟県南部の南魚沼市の一部、約3.2km×2.2km の範囲。

地表での空間解像度は当初目標にしていた約5メートルを達成しており、重量50kgクラスの超小型衛星としては、世界最高の性能を更新した。HPTの高いセンサー技術と衛星バスシステムの高度な制御によって達成できたとしている。

国際的に競争の激しい重量50kgクラスの衛星開発で、日本の技術優位性を世界に示すことができると同時に、このクラスの衛星が、高度な実用衛星へ向けて大きな一歩を踏み出した。

今後は、実用性の高い観測を行うための、より高度な衛星姿勢制御方法の確立を目指して運用する。世界初となる、波長選択が可能な宇宙用液晶フィルターを用いたスペクトル撮影にも挑戦する。成功すれば、大型衛星に匹敵する高解像度スペクトル計測の手段を手に入れることになる。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース