「押収した聖書は返還しない」セランゴール州イスラム宗教局

セランゴール州イスラム宗教局(JAIS)が1月、ペタリンジャヤにあるマレーシア聖書協会(BSM)から押収した聖書について、同州イスラム宗教委員会(MAIS)とJAISは返還しないと発表した。

エマージング・マーケット 東南アジア

セランゴール州イスラム宗教局(JAIS)が1月、ペタリンジャヤにあるマレーシア聖書協会(BSM)から押収した聖書について、同州イスラム宗教委員会(MAIS)とJAISは返還しないと発表した。

MAISによると、セランゴール州政府より聖書を返還するように指示があったが、MAISとJAISは13日協議をおこない、「イスラムに対する破壊行為に当たる」との理由から1988年非イスラム宗教法に基づき返還しないことを決定した。また聖書を廃棄できるかどうかの決定を待っている段階であるという。

同州のアブドル・カリド・イブラヒム首相は、問題解決に向けてJAISやMAISなどと話し合いを行う方針を明らかにした。

押収されているのは、マレー語とイバン語の聖書300部。JAISは「非イスラムにも関わらずアラーという表現を使っている」との理由でBSMを家宅捜索し、聖書を押収した。セランゴール州スルタンのシャラフディン・イドリス氏も州内で非イスラム教徒は「アラー」との表現を使用してはならないとの命令を発していたが州内でマレー語版の聖書で「アラー」が使用され続けていた。
(ザ・サン、マレー・メイル、6月16日、ザ・スター、6月15日)

伊藤 祐介

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