JR各社が発表した夏期（7月～9月）臨時列車の概要のうち、ファンの注目を集めそうな内容が特に多かったのがJR東日本だ。臨時『あけぼの』の運転や山形新幹線『とれいゆ』登場をはじめ、国鉄色の車両による臨時列車が長野支社で多数運転されるなど、話題に事欠かない。
■新幹線
JR東日本の新幹線では、山形新幹線に登場するリゾート列車『とれいゆ つばさ』が注目の的。車内に足湯などを設けたE3系の改造車で、7月19日以降、週末を中心に福島～新庄間で運転する。長野新幹線では、3月にデビューした新型車両E7系による『あさま』の臨時列車をお盆期間中（8月8日～17日）に55本運転する。E7系は順次増備されており、7月5日からは1日13往復、8月8日からは18往復がE7系での運転となる。このほか各線で夏祭りなどに合わせた増発を行い、期間内に東北・秋田・山形新幹線で941本、上越新幹線で419本、長野新幹線で792本の臨時列車を運行する。
■在来線
【夜行列車】
3月のダイヤ改正で定期運行を終えたブルートレイン『あけぼの』が18日間（下り8月1日～18日、上り7月31日～8月17日）運転。車両は24系客車6両を使用する。臨時夜行列車ではほかに、東京～大垣間の『ムーンライトながら』（185系10両）、新宿～白馬間の『ムーンライト信州』（189系6両）が運転される。『ムーンライトえちご』は運転予定が発表されていない。
【国鉄色の臨時列車】
ファンから高い注目を集めそうなのが、長野支社で運転予定の国鉄色車両を使用した臨時列車だ。7月5日には松本～長野間で国鉄色の183系による快速『懐かしの篠ノ井線183系』、松本～白馬間で国鉄色の189系による快速『懐かしの大糸線189系』を運転。松本発はどちらも10時12分で、国鉄色の特急車両が同時発車する光景が見られることになる。また、横須賀色の115系（6両編成）とクモユニ143系を連結した大糸線の『懐かしの115系横須賀色』が松本～南小谷間で7月19・20日、湘南色の115系（3両編成）とクモヤ143系を連結した『懐かしの115系湘南色』が茅野～長野間で7月21日に運転される。
このほか、9月28日には中央本線富士見駅の開業110周年記念に合わせ、盛岡支社所属の24系客車6両をEF64形電気機関車が牽引する、長野～富士見間の快速『ブルートレイン信州』が運転される。
【SL列車】
SL列車も各線で運行される。釜石線で今年4月に運転を開始した、C58形とキハ141系4両による快速『SL銀河』は、花巻～釜石間で計16日間運転する。
山形県内では、6月14日～9月13日まで実施される「山形デスティネーションキャンペーン」に合わせ、7月19・20日に山形～左沢間で快速『SL山形日和。左沢線号』、9月13日には新庄発酒田行きの快速『SL山形日和。陸羽西線号』を運転。9月14日には酒田発新庄行きの快速『SL陸羽西線100周年号』を運転する。いずれもC11形と旧型客車3両の編成で運転する。
上越線では高崎～水上間で快速『SLみなかみ』を計26日間運転。牽引機はC61形またはD51形で、運転日によって異なる。7月6日には同区間で、D51形が旧型客車5両を牽引する『SL七夕レトロみなかみ』『SLレトロみなかみ織姫』、C61形が12系客車5両を牽引する『SLみなかみ彦星』『SL七夕みなかみ』を運転。七夕にちなみ「彦星」と「織姫」がすれ違うという。同区間では8月2日に『SLC61誕生記念号』、9月6・7日にはみなかみ町で開催される「おいで祭り」に合わせた『SLみなかみおいで祭り号』も運転される。
信越線の高崎～横川間では、旧型客車を使用し下りがD51形、上りがディーゼル機関車牽引となる快速『SL・DLレトロ碓氷』、逆に下りがディーゼル機、上りがD51形牽引となる『DL・SLレトロ碓氷』のほか、12系客車を使用し下りがディーゼル機、上りがD51形牽引となる『DL・SL碓氷』が運行される。
【その他】
武蔵野線初の特急列車『むさしのかいじ』が9月27・28日に大宮～甲府間で運転される。車両は253系6両で、同線内の停車駅は北朝霞・新秋津となる。
大船渡線などを中心に運行されているキハ100系2両編成の「POKEMON with YOUトレイン」は山田線、大船渡線のほか、7月5・6日に左沢線（山形～左沢間）、8月10～17日に東北本線（盛岡～一ノ関間）で初めて運転される。
このほかにも多数の臨時列車が運転され、在来線の特急・急行は期間中に計2546本（前年比1%減）が増発される。
