欧州地球観測衛星 センチネル 1A 打ち上げ成功 ソユーズ搭載カメラの映像を公開

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ESAのレーダー地球観測衛星「センチネル 1A」
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2014年4月3日、アリアンスペース社は、欧州のレーダー地球観測衛星『Sentinel-1A(センチネル 1A)』を仏領ギアナ・ギアナ宇宙センターから打ち上げた。4月7日、ソユーズロケットに取り付けられたカメラ撮影による、打ち上げ開始から衛星分離までの映像が公開された。

センチネル 1Aは、ESA 欧州宇宙機関が計画する「環境と安全のためのグローバル・モニタリング(GMES: Global Monitoring for Environment and Security)」通称「コペルニクス」計画の第1段となる地球観測衛星シリーズの最初の1機。カナダの「RADARSAT-2」やイタリアの「Cosmo-SkyMed」衛星などの技術を継承している。タレス アレニア スペース社とエアバス ディフェンス アンド スペース社が製造し、高度693キロメートルの太陽同期極軌道で、レーダーにより地表を観測する。同型の衛星がもう1機打ち上げられ、2機のコンステレーションにより、同一地点を6日に1回と高頻度に観測できる。

4月3日(日本時間4月4日午前6時2分)に行われたソユーズロケットでのセンチネル 1A打ち上げには、リフトオフから衛星切り離しまで、23分24秒の行程を記録するカメラシステムが搭載された。4台のカメラで構成された「OCAM 2」システムは、これまで小型ロケット「VEGA」とESAの国際宇宙ステーション補給船「ATV」に搭載された実績があり、ソユーズでは初の搭載だという。

映像では、ソユーズのフレガート上段エンジンに接続された2本のアンビリカルコネクタが切り離され、2基のアンビリカルマストが倒れるところから、衛星切り離しまでの行程をとらえている。およそ23分半のミッション継続時間は5分程度に編集されているが、第1段ブースターの分離やフェアリング分離、切り離されたセンチネル 1Aが太陽同期軌道へ展開されるようすが見られる。1950年代から打ち上げられてきたソユーズロケットが、軌道に到達するまでの行程をとらえた初の映像だ。

《秋山 文野》

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