京都産業大学の研究者を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡を使って11月14日(世界時)に急激な増光が始まった直後のアイソン彗星の分光観測に成功した。
今回の観測は、11月15日(世界時)に、すばる望遠鏡に搭載した可視光高分散分光器(HDS)を使って実施した。
すばる望遠鏡の集光力を生かした分光観測では、高精度のスペクトルデータを短時間で得ることができ、気体状態の分子や原子から放たれる多くの輝線が記録された。
すばる望遠鏡に搭載されたHDSを使って、積分時間20分間で得られた。同じくHDSで観測された他の彗星のスペクトルに比べて、ガスの輝線(縦方向に写っている明るい筋)の本数が非常に多く見られ、C2やNH2、O、Naなどによる無数のガス輝線が検出された。
アイソン彗星の急増光のメカニズムを明らかにする上で貴重なデータとなる可能性があるとしている。