香港の鉄道網を運行する香港鉄路(MTR)は11月13日、スウェーデンで都市間列車の運行に参入すると発表した。専用車両をスイスのメーカー、シュタッドラー・レールに発注。車両が完成する2014年秋以降の運行開始を予定している。
MTRは2009年からスウェーデンの首都・ストックホルムで同市交通局との契約により地下鉄を運営。他にもロンドンやメルボルンの都市鉄道、中国国内他都市の地下鉄運営など、海外や他地域での事業を活発に展開している。
同社が運行に参入するのは、スウェーデンの首都ストックホルムと同国第2の都市・ヨーテボリを結ぶ約455kmの路線。列車名は「MTRエクスプレス」で、両都市間を最高速度200km/h、約3時間10分で結び、週110便を運行する予定という。運行は現地子会社の「MTRノルディック」が行う。
車両はヨーロッパを中心に各国で採用されているシュタッドラー・レールのアルミ製連接電車「Flirt」の5車体連接車を、製造後のメンテナンスも含め総額8億3000万香港ドル(約106億円)で6編成発注。納入は2014年秋に開始される予定で、各種試験を経て承認の後に運行を開始する。
スウェーデンの鉄道は他の欧州諸国同様に上下分離化されており、都市間列車は主に国有企業のスウェーデン鉄道(SJ)が運行。MTRはSJと同一線路上・同一区間で対決する形となる。MTR側は「(参入は)既存の鉄道の利用者だけでなく、他の交通機関の利用者も鉄道に引きつけることになるだろう」としている。