日清紡ホールディングスは11月5日、同社のコア事業のひとつであるブレーキ事業で南米ビジネスを拡大するため、連結子会社であるTMD Friction do Brazil S.A. (TMDブラジル)を新立地に移転し、生産能力を拡充すると発表した。
同社は、2011年に世界有数の摩擦材メーカーTMD Friction Group S.A. (TMD社)を買収し、自動車ブレーキ用摩擦材の世界シェアでナンバーワン・メーカーの地位を獲得した。また、中国、アメリカ、日本に次ぐ世界第4位の自動車販売台数国であるブラジルを、ブレーキ事業のグローバルリーダーシップを確固たるものにするための重要な拠点と位置づけている。
TMDブラジルは、現在、サンパウロ州インダイアトゥーバ市に拠点を構えているが、周辺の市街地化が進んでいること、工場増設に必要な敷地の余裕がないことなどの理由から、同州のサウト市郊外に移転し、増産体制を構築することとした。操業環境を改善するとともに、品質と生産性をさらに向上させ収益力の強化を図る。
今回の投資額は142百万レアル(約64億円)であり、2016年末までに新工場を建設し、移転を完了する予定。これにより、現在の売上を2020年には倍増させる計画としている。