富士通と富士通研究所は、車載レーダーなどで使われるミリ波レーダーの干渉シミュレーション技術を開発したと発表した。
車載レーダーなどでは76GHz帯ミリ波が利用されているが、今後、より高い分解能が得られる79GHz帯ミリ波の普及が見込まれる。レーダーの普及によって多くの異なる変調方式が混在して使われるようになり、干渉の問題が起きないかを詳細に検討する技術が求められている。
ミリ波レーダーは、広い周波数帯域を使うことから、異なる方式間の干渉解析を汎用のパソコンで行うには従来の技術では処理能力的が困難だった。今回、異なる変調方式の干渉について数理的モデルを作成し、精度を落とさずに解析を簡略化することで、汎用のパソコンを使って実用的なメモリ容量と計算量で干渉の解析を実現するシミュレーション技術を開発した。
この技術により、干渉回避アルゴリズムの開発や検証がシミュレーションで行えるため、物体の認識漏れ、誤検出を防止し、信頼性の高い車載レーダーの開発に貢献する。
今回の研究開発は、総務省の電波資源拡大のための委託研究「79GHzレーダーシステムの高度化に関する研究開発」で実施した。
今後、2013年度末に向けて、開発した干渉回避アルゴリズムの実験検証などを進める。また、この干渉回避手法を実装した製品化を順次進めていく予定。