日立造船、タイで洪水対策用水門2基を受注

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日立造船が施工した紀の川大堰制水門
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日立造船は、前田建設工業からタイ・プラナコン・シー・アユタヤ県の洪水対策用水門2基を受注したと発表した。

今回受注した水門は、2011年7月から断続的に続いた記録的な大雨により、多くの洪水被害を受けたタイのプラナコン・シー・アユタヤ県の洪水対策水門建設工事を、日本国政府ODA(政府開発援助)の無償資金協力で実施するもの。

タイの洪水では、日系自動車メーカーや自動車部品メーカーが被害を受けて、タイ国内外で自動車の生産停止を余儀なくされた。

前田建設が全体施工し、日立造船は、前田建設から同工事で設置されるステンレス鋼製ローラゲートのハントラ水門とステンレス鋼製のローラゲートクラマン水門の製作と据付工事を請け負う。

プラナコン・シー・アユタヤ県は、日本企業も多く進出する工業団地の集積地で、タイ経済でも重要な拠点。同県がチャオプラヤ川とパサック川の合流地域に位置することから、大きな洪水被害を受けており、水門を設置することで浸水の可能性を低減する。

タイ政府は、チャオプラヤ川流域洪水対策のマスタープランを策定しており、洪水からの早期復旧と、今後の長期洪水対策のため、水門整備や洪水予防インフラを中心として9000億バーツ規模の「ニュー・タイランド計画」を進めている。

日立造船は、1923年に水門事業を開始して以来、国内の水門や可動堰のほか、水圧鉄管を始めとする水力関連設備を数多く受注し、海外向けにもベトナムやパキスタン、アメリカ、ブラジルなどに250門以上の水門を施工してきた。

《レスポンス編集部》

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