マイナーチェンジしたトヨタ『SAI』のヘッドランプは、独特の形状となっている。
「ヘッドランプのアイディアは、私が描いたスケッチから出ました」と話すのはトヨタ自動車デザイン本部トヨタデザイン部主任の久保興介さん。フロントのトヨタのエンブレムからヘッドランプユニット、サイドのショルダーラインを通り、リアまで1本の線でつながるデザインがSAIの特徴で、クルマ全体を長くダイナミックに見せることで、エレガントさも表現しているという。
「なるべく長い線に見せたいと考えると、普通のヘッドランプユニットであればそこで線は切れてしまいます。では、長くするにはどうしたらと考えているうちにどんどんグリルの方へ(クリアランスランプが)伸びていきました。エンブレムからずっと目線が途切れないようにするために、最終的な表現としてランプが内側につながったのです」と話す。
クリアランスランプの光り方にも特徴を持たせた。LEDランプをひとつ入れ、レフ板を用いて全体を光らせた。「この方法では、全部が同じように光るのではなく、強く光っているところから、すっと消えていくようになり、書道の筆遣いと同様、ギュッと力を入れたところからすっと消えていくような勢いが出てくるのです。グラデーションをつけることで、光りの質感が持て、それが大人っぽさになると思うのです」と語った。